開発者向け調査が明らかにしたモバイル開発の実態
昨年、独立系の調査会社が実施したWindows開発者向け調査によると、回答者の実に85%がモバイルへの対応を求められているという結果が出た。さらにそのうちの99%が、今後もWindowsの開発やサポートを継続することを求められている。言いかえれば、モバイルをサポートするからといって、Windows開発がなくなるというわけではなく、単に仕事が増えるという状況にあるということだ。
しかも、多くの顧客は、iOSとAndroidの双方をサポートすることを求めており、デスクトップOSに加えて、複数のモバイルOS向け開発を行わなければならない状況にある。
このような要求に応える技術として、HTML5などのWebテクノロジーが注目されている。共通のコードベースで複数デバイスに対応できるからだ。しかし、多くのユーザーが、Webテクノロジーはモバイル開発には不十分であると考えている。デバイス独自の機能にアクセスするのが難しかったり、JavaScriptのような言語では機能が不足している、パフォーマンスが劣るなどが主な理由だ。
その結果、実に85%の開発者が、ユーザーにとってネイティブのモバイルアプリが最善であると回答している。
「先日、Facebookのキャンバスでのイベントに参加して、同社のエンジニアリング担当のディレクターから話を聞くことができました。ほとんどのユーザーは、Facebookをブラウザで使うことには慣れていましたが、モバイルデバイスに対しては、違う期待を持っていたそうです」
その結果、Webテクノロジーを使ったFacebookアプリは支持されず使われなかった。それがネイティブに移行する決断をした理由とのことだ。
「すべてのプラットフォームでソースコードを共有できるということは、確かに大きなメリットです。しかし、ユーザーがそのアプリを使ってくれないなら、それは失敗です」