EC2でLinuxサーバ構築
Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)は、AWSのサービスの中でもっとも基本となるサービスで、仮想サーバ機能を提供します。ここでは、EC2を使って、Linuxサーバを構築する手順を説明します。
EC2を使う上で、おさえておきたいAWS用語は次の3つです。
- インスタンス=1台のサーバのこと
- EBS(Elastic Block Store)=サーバのハードディスクのこと
- AMI(Amazonマシンイメージ)=サーバにインストールするOS(+各種ソフト)のこと
これらのイメージは、次の図のとおりです。
では早速、EC2をつかってLinuxサーバを構築する手順を説明します。
AWSマネジメントコンソールにログインして、[EC2]を選択します。
EC2インスタンスの生成
東京リージョンにEC2のインスタンスを生成します。Webマネジメントコンソールで[Tokyo]が選択されていることを確認し、[Launch Instance]ボタンをクリックします。
次に、構築するサーバのOSであるAMIを決めます。Redhat、UbuntuなどのLinuxサーバやMicrosoft Windows Serverなどが選べます。ここでは、[Amazon Linux AMI 2014.03]を選択します。これは、Redhatをベースに必要なソフトウエア群があらかじめ導入されたサーバです。無料枠で利用できるAMIには[Free tier eligible]と表示されています。
サーバのスペックを選びます。
CPUの速度やメモリ容量、ネットワークの性能などでスペックが分かれていて、スペックによって利用料金が異なります。サーバの利用用途に応じて、適切なサーバを選びます。ここでは、最も低スペックの[t1.micro]を選択します。
EC2には、サーバの用途によってさまざまなスペックが用意されています。例えば、低コストで使えるものから、メモリ/CPU/ストレージを最適化したものや、非常に負荷のかかる処理を行うためのハイスペックなものがラインナップされています。利用料金は、スペックだけでなくEC2インスタンスを生成するリージョンやストレージの容量/データ転送量などによって決まります。
詳しい料金表は以下にあります。
次に、インスタンスの詳細を設定します。ここでは、インスタンスの数やネットワーク認証方法などを設定します。VPCという仮想プライベートネットワークを作成するサービスを使っている場合は、ここでどのネットワーク上にEC2インスタンスを生成するかを設定します。今回はデフォルトのままで[Next Add Storage]ボタンをクリックします。
EC2のハードディスクに相当するEBSのサイズを決めます。EBSは使用した容量ではなく、確保したサイズによって料金が決まります。今回はデフォルト8GBのままで[Next Tag Instance]ボタンをクリックします。
EC2のサーバを管理しやすいように分かりやすいタグをつけます。今回はNameタグにhttp-node1という値を設定します。
EC2のサーバに対してセキュリティの設定をします。新しいルールを追加するには[Add Rule]ボタンをクリックします。次回にHTTPサーバを作成するので、SSHのほかにHTTPも許可します。以下の設定にして、[Review and Launch]ボタンをクリックします。この設定で、EC2に対してSSH(ポート番号22)とHTTP(ポート番号80)の通信を許可することになります。
確認画面が表示されますので、問題がなければ[Launch]ボタンをクリックします。
EC2インスタンスを生成すると、アクセスキーを選択するダイアログが表示されます。
[Create a new key pair]を選択し、[Key pair name]にAWSKeyと入力します。
ここで[Download Key Pair]ボタンをクリックすると、AWSKey.pemという名前のキーファイルが生成されます。
ここで生成されたキーは、EC2のサーバにアクセスする際に必要です。AWSではEC2にアクセスするとき、公開鍵暗号化方式を使って認証します。ダウンロードした秘密鍵は、なくさないよう厳重に保管してください。EC2に2回目以降アクセスするときは、今回作成した公開鍵/秘密鍵のペアを使うことが可能です。
インスタンスが生成されるまでに数分かかります。