AWSで押さえておきたい概念と用語
AWSを使う上で、理解しておきたい概念と用語は次の2つです。
リージョン
AWSのデータセンターが設置されている地域のことを指します。執筆時点では8か所(バージニア北部/オレゴン/北カリフォルニア/アイルランド/シンガポール/東京/シドニー/サンパウロ)のリージョンがあります。
これ以外にもGovCloudと呼ばれる米国の政府省庁/契約企業のみが使えるリージョンがあります。また、2014年には、中国リージョンも公開される予定です。提供されているサービスや利用料金はリージョンによって異なります。
アベイラビリティゾーン(AZ)
リージョンの中には、複数のアベイラビリティゾーンがあります。このアベイラビリティゾーンは、物理的に隔離された場所にあります。ネットワークだけでなく空調や電源も別の環境で運用されています。
リージョンとアベイラビリティゾーンの例は、次のような構成になっています。
同一アベイラビリティゾーン内の通信はプライベートIPアドレスでアクセスするため費用がかかりません。同一リージョン内の異なるアベイラビリティゾーン間の通信はインターネットを経由しませんが、グローバルIPアドレスを使ってアクセスします。そのため、通信費用がかかります。
アベイラビリティゾーンで障害が発生したときは、同一のゾーン内で稼働しているサーバは影響を受けます。自然災害などに備えたディザスタリカバリなどのシステムを構成するときは、異なるアベイラビリティゾーンで運用しておくのが良いでしょう。
AWSを利用するための準備(アカウント登録~サービス利用)
AWSを利用するには、アカウント登録が必要です。登録には、メールアカウントとクレジットカードが必要です。
また、AWSを気軽に利用できるよう登録後12か月間は「AWS無料利用枠」があります。仮想サーバ機能EC2やストレージサービスS3など、AWSの基本サービスが無料で利用できます。ただし、無料枠では1か月あたり利用できる上限量が決まっています。例えば、EC2は低スペックのLinuxまたはWindowsサーバを750時間まで無料で使うことが可能です。
アカウントは、AWSの公式サイトの手順に従って登録してください。
アカウント登録が完了したら、すぐにAWSのサービスを利用できます。AWSを利用するためには、次の2つの方法があります。
Webブラウザで操作する場合(AWSマネジメントコンソール)
AWSマネジメントコンソールを使うには、以下のサイトにアクセスし、右上にある「アカウント/コンソール」メニューの「AWSマネジメントコンソール」を選択します。
ログイン画面に遷移しますので、登録したEメールとパスワードを入力してログインします。
ログインが完了すると、AWSの提供サービスが一覧表示されます。
コマンドラインから操作する場合(AWSコマンドラインインターフェース)
システムが大規模になるとEC2のサーバの起動/停止などをまとめて自動で行う必要があります。そのためのコマンドラインが提供されています。