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イベントレポート

【IBM Innovate 2014 基調講演(1)】 今後のソフトウェア開発の鍵は「スピード」と「信頼性」の両立、開発者の重要性も増大

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 IBMの年次テクニカルサミット「IBM Innovate 2014」(以下、Innovate 2014)が米国時間の6月1日から5日にかけて、米国フロリダ州オーランドで開催されている。エグゼクティブやマネージャーを除くと全参加者の半数が開発者という、ソフトウェア開発にフォーカスしたイベントで、開発系のカンファレンスとしては世界最大級。450以上のテクニカルセッション、24のハンズオンなどが用意され、57か国以上から4000人が参加した。

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業界を問わず、ソフトウェア開発のスピードと信頼性が今後必要に

 2日に行われた最初の基調講演では、まずゲストスピーカーとして、フォータム社でモジュール式の小型原子炉(SMR)の開発を進めているクリスティーナ・ソダフォルム(Kristiina Söderholm)博士が、システムが複雑で高い信頼性が要求される原子力業界でもアジャイル開発が必須となってきている現況を紹介した上で、Rationalのジェネラル・マネージャー クリストフ・クロークナー(Kristof Kloeckner)氏が登壇した。

IBM Rational ジェネラル・マネージャー クリストフ・クロークナー
IBM Rational ジェネラル・マネージャー クリストフ・クロークナー

 今年のテーマは、スピードを保ちながらイノベーションを続ける「Innovate@SPEED」。

 クロークナー氏は、「冒頭の発表は、業界によらず全員が直面している問題。信頼を保ちながら社会的に価値のあるものをすばやく提供していく必要がある。モノのインターネット(Internet of Things、IoT)やソーシャルネットワーク活動の拡大により世界が複雑さを増していくなかで、複雑なものを効率よく管理し、早く自信をもって出す必要がある。ほぼすべてのエンタープライズ領域において、スピードと自信の両立はビジネス成功の鍵である」と説明した。

 業界の平均的なデリバリーサイクルが6か月から1年と、時代のニーズに対して遅すぎる点を問題提起し、原因としてカスタム化開発、マニュアルプロセス、チームのサイロ化、情報の断片化により、メンバーの協業がしにくくなっていることを挙げた。価値のあるソフトウェア、サービスをどのようなスピードでデリバリーできるかがビジネスの勝敗を分けるという。

デリバリーサイクルが6か月~1年の企業が未だに多い
デリバリーサイクルが6か月~1年の企業が未だに多い

 一方でソフトウェアを自動車に例え、むやみやたらにスピードを求めればよいわけではないこととも指摘。「自分の自動車の安全性が確かではないならば、限界までスピードを出すことはできないし、他人を乗せることもできない。ソフトウェアも同じで、信頼できるプラットフォームが必要。つまり、コスト、スピード、リスク、自信と信頼のバランスが重要となる」(クロークナー氏)。

 その際、スピードの鍵となるのが効率化。組織全体でリーンでアジャイルなアプローチを採用することで、無駄を省き、デリバリーを早くする。自信が出るし、効率もよくなり、いち早く経験もできる。

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この記事の著者

斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

株式会社翔泳社 ProductZine編集長。1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテックジン)」...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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