メーリングリスト作成/登録
Exchange Onlineではメーリングリストのことを配布リストと言います。メーリングリストを登録する方法は大きく2種類あります。スクリプトで一括登録するか、GUIで一件ごとに登録するかです。順にご紹介します。
メーリングリストをスクリプトで登録する ~一気に登録する場合におススメ~
メーリングリストをスクリプトで登録する際以下の流れで作業を行います。
- 登録したいメーリングリストのCSVを用意
- メーリングリストの一括登録スクリプトを実行
- メーリングリストに登録するユーザーリストのCSVを用意
- 作成されたメーリングリストにユーザーを一括登録するスクリプトを実行
なお、作成するCSVを保存する際には、ファイル形式を[CSV(カンマ区切り)(*.csv)]を指定して保存してください。CSVファイルは2バイト文字を使用する場合、UTF-8の形式で保存する必要があります。
順に説明します。
最初に登録したいメーリングリストのCSVを用意します。CSVファイルの値は下記testdl.csvのように入力してください。
Name,DisplayName,Alias,PrimarySmtpAddress,managedby,MemberDepartRestriction,MemberJoinRestriction,type 配布グループ名,表示名,GG1(メーリングリストのエイリアス),GG1@ドメイン,メーリングリストの管理者(一人だけ),Closed,Closed,Security 配布グループ名,表示名,GG2(メーリングリストのエイリアス),GG2@ドメイン,メーリングリストの管理者,Closed,Closed,Security
1行ごとに作成したいメーリングリストの情報を記載していきます。managedby、MemberDepartRestriction、MemberJoinRestriction、typeなどはそのままの設定値で保存してください。
続いて、準備したCSVファイルを用いてメーリングリストを登録します。以下のPowerShellスクリプトを実行してください。
Import-CSV testdl.csvのパス | foreach {New-DistributionGroup -name $_.name -DisplayName $_.DisplayName -Alias $_.Alias -PrimarySmtpAddress $_.PrimarySmtpAddress -managedby $_.managedby -MemberDepartRestriction $_.MemberDepartRestriction -MemberJoinRestriction $_.MemberJoinRestriction -type $_.type}
New-DistributionGroupという、新規でメーリングリストを作成するコマンドレットを活用して、CSVに記載されている内容を登録します。スクリプト実行後、Exchange管理画面上で配布グループが作成されたことを確認してください。無事作成できていることを確認できた後、各メーリングリストの所属メンバーを追加していきます。
最初に登録したいメーリングリストのCSVを用意します。CSVファイルの値は下記testAddMember.csvのように入力してください。
PrimarySmtpAddress,DistributionGroupMember GG1@ドメイン(登録したいメーリングリストアドレス),testuser001@ドメイン(メーリングリストに登録したいユーザーのメールアドレス) GG1@ドメイン,testuser002@ドメイン GG2@ドメイン,testuser001@ドメイン GG2@ドメイン,testuser003@ドメイン
1行ごとにユーザーを登録したいメーリングリストアドレスと、登録したいユーザーのメールアドレスをそれぞれ記載していきます。記載後[名前を付けて保存]をします。この際、ファイル形式を[CSV(カンマ区切り)(*.csv)]を指定して保存してください。
CSVファイルは2バイト文字を使用する場合、UTF-8の形式で保存する必要があります。
続いて、準備したCSVファイルを用いてメーリングリストを登録します。
以下のPowerShellスクリプトを実行してください。
Import-csv testAddMember.csvのパス |foreach { Add-DistributionGroupMember -Identity $_.PrimarySmtpAddress -Member $_.DistributionGroupMember}
Add-DistributionGroupMemeverというメーリングリストにユーザーを追加するコマンドレットを活用してCSVに記載されている内容を一括登録します。
以上でメーリングリスト並びに所属者の追加が完了しますが、もう一つ忘れてはいけない設定があります。Exchange Onlineではメーリングリストに対するメール受信の既定値が[組織内の送信者のみ(True)]と設定されています。つまり、社外の方からメーリングリストにメールが送信された際、メールを受信できません。セキュリティ上の既定値ですが、日本の企業においてほとんどのメーリングリストは社外の方からのメールを受信できる設定にしていると思います。こちらもスクリプトで一括登録が可能です。
最初に社外からのメール受信を行いたいメーリングリストのCSVを用意します。CSVファイルの値は下記testAuthenticationEnabled.csvのように入力してください。
PrimarySmtpAddress GG1@ドメイン(社外からのメール受信を行いたいメーリングリストのアドレス) GG2@ドメイン
1行ごとに社外からのメール受信を行いたいメーリングリストのアドレスを記載していきます。記載後[名前を付けて保存]をします。この際、ファイル形式を[CSV(カンマ区切り)(*.csv)]を指定して保存してください。
CSVファイルは2バイト文字を使用する場合、UTF-8の形式で保存する必要があります。
続いて、準備したCSVファイルを用いてメーリングリストを登録します。
以下のPowerShellを実行してください。
Import-csv testAuthenticationEnabled.csvのパス | foreach { Set-DistributionGroup -Identity $_.PrimarySmtpAddress -RequireSenderAuthenticationEnabled $false }
Set-DistributionGroupというメーリングリストに対する設定を行うコマンドレットを活用して、CSVに記載されているアドレスに対して社外からのメールを受信できるように一括設定します。
これらの手順すべてが完了すればメーリングリスト周りの設定は完了です。あとは実際に送信受診のテストも忘れずに行いましょう。
メーリングリストをGUIで登録する ~1件などの数が少ない場合におススメ~
著者が実際に構築した際は上記スクリプトベースでの登録方法しかありませんでしたが、現在はバージョンアップによりGUIからも登録ができるようになりました。参考までに手順を掲載します。
- 管理者アカウントで、Office 365へサインインします。
- 画面右上[管理者]より、[Exchange]をクリックします。
- [受信者]-[グループ]をクリックします。
- [+]アイコンをクリックします。
- プルダウン メニューより[配布グループ]を選択します。
- [配布グループ]のポップアップ画面が表示されますので[表示名]、[エイリアス]、[電子メールアドレス]、[所有者]、[メンバー]へ任意の値を入力します。
- [保存]をクリックします。
- 配布グループの一覧画面に戻りますので、新規作成した配布グループが表示されていることを確認します。
同様にこれから紹介する施設/設備登録も[リソース]を選択することで登録できます。ただしGUIの場合、1件1件追加していくことになるので、スタートアップ時など一気にたくさんの情報を登録したい場合はスクリプトで登録する方をおススメします。逆に1件だけ追加をしたいなどの場合はGUIの方がおすすめです。