Exchange Online導入前に必要な事前設定
Exchange Onlineはメールサーバーだけではなく、予定表、施設予約、ToDoリストの管理も行えます。今回は社内でExchange Onlineを利用するために最低限必要な設定をご紹介します。
- メールアカウント作成
- メーリングリスト作成/登録
- 施設/設備登録
項目だけ見ると3つと少ないですが、この3つを押さえなければそもそもExchange Onlineは活用できません。
今回は各設定のPowerShellも交えてご紹介します。ただし、各コマンドレットの細かなパラメータについては言及しません。
メールアカウント作成
Active Directory連携している場合、メールアカウント作成は以下の手順で行います。
Active Directoryでユーザーを作成します。各種項目を入力し、電子メールアドレスの項目に設定したい電子メールアドレスを入力するだけです。設定できるドメイン部分に関して1点だけ注意点があります。電子メールアドレスで登録できるドメインは、Office 365入門の第2回で触れた独自ドメインを登録している物しか設定できません。
さて、電子メールアドレスを登録したユーザーは同期された段階でクラウド上にデータが反映されます。この後ライセンス登録画面上でExchange Onlineに関するチェックを付けて保存すればメールアカウントの作成は完了です。作成されたメールアカウントは自動でExchange Online利用者のグローバルアドレスリスト(共有アドレス帳のこと)上に登録されます。
ユーザーは新入社員や中途社員、協力会社さんが増えても追加登録をすることなく、メールを送信できるようになります。
Active Directory同期を実施している場合、基本はActive Direcoty上でユーザーを管理することになります。ただし、現場レベルでの活用を検討した場合、社内のドメインに入らないユーザーというシチュエーションが発生する可能性もないとは言い切れません。例えば、社内に出入りはしないけれど、会社の営業サポートをしてくれている協力会社さんなどは立場上同じ会社のメンバーとして動くためメールアドレスなどは同じ会社のドメインでやり取りするでしょう。
こういうシナリオにおいてはクラウド上でのみユーザーを作成し、ライセンスを適用すればクラウド上だけで管理が可能です。Office 365管理ポータル上では表記が異なるため視認もしやすいです。
PowerShellをMicrosoft Onlineサービスと接続する
Exchange Onlineは、メーリングリストや施設/設備の管理などではPowerShellを多用することになります。ただし、PowerShellを使用するとしてもWindows Azure Active Directoryモジュール(Office 365)のコマンドレットを使用します。
管理者の方は最初にWindows Azure Active Directoryモジュールをクライアント端末にインストールします。インストールはTechNetを参照しインストールを実施してください。
インストール後、下記手順でMicrosoft Onlineサービスへ接続します。
[スタート]-[すべてのプログラム]-[Microsoft Online Service]-[Windows PowerShell 用 Microsoft Online Services モジュール]を右クリックして[管理者として実行]で起動します。
$LiveCred = Get-Credential … (資格情報の確認が表示されるので、Office 365 の管理者権限のあるアカウントとパスワードを入力) $Session = New-PSSession -ConfigurationName Microsoft.Exchange -ConnectionUri https://ps.outlook.com/powershell/ -Credential $LiveCred -Authentication Basic -AllowRedirection … (入力した資格情報を使いPowerShellをMicrosofOnlineサービスと接続できるようにセッションを用意) Import-PSSession $Session … (上記セッションのコマンドを今のセッションにインポート) Connect-MsolService -Credential $LiveCred … (最初に入力した資格情報を使いMicrosoft Onlineサービスと接続する)
これから紹介するメーリングリスト管理や施設/設備管理はすべてPowerShellで実施します。上記おまじないを実行後に各スクリプトを実施しますので上記スクリプトはバッチなどで準備しておくと良いでしょう。