施設/設備登録
施設/設備登録もメーリングリスト同様に行います。Microsoft Onlineサービスへ接続後下記スクリプトに必要情報を入れて実行するだけで施設/設備のメールボックスが作成されます。
// 施設の場合 New-Mailbox -Name "表示される施設名" -Alias "施設/設備のエイリアス" -PrimarySMTPAddress "登録するメールアドレス" -Room // 設備の場合 New-Mailbox -Name "表示される設備名" -Alias "施設/設備のエイリアス" -PrimarySMTPAddress "登録するメールアドレス" -Equipment
末尾のパラメータがRoomとなる場合は施設、Equipmentとなる場合は設備が登録されます。それぞれの違いとして、以下の物が有ります。
- Outlookアドレス帳上で表示されるアイコンの違いがある(ドア型アイコンが会議室でスクリーン型のアイコンが設備)
- 施設のメールボックスは最大利用者数などを設定でき、設定人数を超える場合、利用者にアラーム通知ができる
著者の構築した環境では今のところアイコンの差分程度でしか利用していないため、実運用ではあまり意識しなくてもいいかもしれません。
具体的に当て込むと以下のような形になります。
表示名 | 登録したいメールアドレス | 実際のスクリプト |
---|---|---|
【大阪】会議室 | oosakaofficeCompanyConferenceRoom@ドメイン | New-Mailbox -Name 【大阪】会議室-Alias oosakaofficeCompanyCar -PrimarySMTPAddress oosakaofficeCompanyConferenceRoom@ドメイン -Room |
【大阪】Web会議機材1 | oosakaofficeWebConItem1@ドメイン | New-Mailbox -Name 【大阪】Web会議機材1 -Alias oosakaofficeWebConItem1 -PrimarySMTPAddress oosakaofficeWebConItem1@ドメイン -Equipment |
【大阪】Web会議機材2 | oosakaofficeWebConItem2@ドメイン | New-Mailbox -Name 【大阪】Web会議機材2 -Alias oosakaofficeWebConItem2 -PrimarySMTPAddress oosakaofficeWebConItem2@ドメイン -Equipment |
【大阪】社用車 | oosakaofficeCompanyCar@ドメイン | New-Mailbox -Name 【大阪】社用車-Alias oosakaofficeCompanyCar -PrimarySMTPAddress oosakaofficeCompanyCar@ドメイン -Equipment |
実際に登録された連絡先は下記のとおりです。
施設/設備のメールボックスは既定で以下の設定となるのでそれぞれ再設定します。
-
施設/設備の予定表の確認ができない
アクセス権が既定では予定の空き状況しか見えないので内容を確認できるようにする -
施設/設備に対する予定の詳細が見えない
誰がどのような内容で施設/設備を押さえているか確認できるようにする(記載されたコメントを削除させない) -
自動応答されない
スケジュール確保を行う際にメールボックスで予約が完了したかすでに押さえられていて予約が実現しない場合の自動応答メールを送る
この変更を実現するスクリプトは下記のとおりです。
Set-MailboxFolderPermission "施設/設備のアドレス:\予定表" -User 既定 -AccessRights Reviewer Set-CalendarProcessing "施設/設備のアドレス" -AddOrganizerToSubject $False -DeleteComments $False -DeleteSubject $False Set-CalendarProcessing "施設/設備名" -AutomateProcessing AutoAccept
Set-MailboxFolderPermissionで、Exchange Onlineのユーザー全員が予定を確認できるようになります。
Set-CalendarProcessingコマンドレットを活用し、詳細情報を表示させ(2行目)、自動承認するように(3行目)設定がされます。
以上の設定が完了すれば、スケジュール調整や施設/設備予約が円滑にできるようになります。
まとめ
今回はExchange Onlineを実際に使用するための初期設定について紹介しました。記事だけ見るとスクリプトの準備などで煩雑そうと感じるかもしれません。しかしスクリプトをうまく活用することがExchange Onlineを早期導入するために必要な手順であることなどを体感できます。また、今回紹介したコマンドレットは極一部で実運用が絡むともう少し覚えておくべきコマンドレットも有ります。よりExchange Onlineを活用するためにもPowerShellへのハードルを高くしないように触っておきましょう。
また、Exchange Onlineとセットで活用するOutlookの啓蒙なども忘れずに行いましょう。Outlookはメーラーではなく施設設備やスケジュールなどの統合管理ツールとして啓蒙していくことでよりExchange OnlineとOutlookが活用されやすくなるでしょう。啓蒙するためにもまずは管理者が率先して活用して良いところを多く見つけていきましょう。
次回はSharePoint Onlineについて簡単に紹介する予定です。お楽しみに。