AWSや既存のサービスで90%までカバーしていきたい
岩切 ► 二人はどうやって営業しているんですか。「作らない」あるいは「正しく作る」と言っててお客さんが来るのかどうかは、興味深いなと思っています。
大石 ► 先ほど、否定語の話があったときにそうだなと思ったんですけど、作らないって全面に押し出していると、お客さん来ないです(笑)。作らない、は隠してますね。
岩切 ► なるほどなるほど!
大石 ► そうはいっても、作らないSIだけでカバレッジ率を90%に高めたいと思っています。当社は、テラスカイというSalesforceに強い会社と資本業務提携しているのですが、AWSを使ってできるだけ作らないようにし、+αで作りたいものがあればテラスカイにSalesforceで実現してもらうことで、カバレッジ率を90%まで高めようとしています。僕らの目指すところは、AWSとSalesforceと+α、例えばGoogle Apps、Office 365などを組み合わせて、要件の90%を満たすことなんです。残りの10%は本当に作らないと、企業の競争上どうにもならないところで、市谷さんのようなトップエンジニアが、わーっと頭脳を集結して作る。これが、僕らのイメージしている世界です。そこは、文化が違うんですよ。作らないSIと、本当にトップノッチの10%のところを作る会社。求められる文化や教育制度、あらゆるものが違うと思っています。
僕らはアウトカムに集中しているので、どれだけお客さんが喜んでくれるだとか、僕らもどれだけ手間ひまかけずに、大きなインパクトをお客さんに提供できるかっていうのも、大事にしています。なので、作らないというメッセージは、お客さんにはあまり示しません(笑)。「私達は普通のSIとは違ってコードは書きません」と言います。はっきり。
岩切 ► なるほど。
大石 ► コードは、もっと優秀な人たちが本当に書く必要があるところで書く。もっと言うと、書かなくても8割9割はカバーできるんじゃないですか、というところはかなりプロジェクト初期の段階でちゃんとそれはお伝えします。作らない、という言い方ではなくて、書かなくてもできます、という言い方をします。
岩切 ► 市谷さんはどうですか。
市谷 ► 正しいものを正しく作るという言葉を、クライアントの立場になって使うことを心がけてます。クライアント側には企画書から動くソフトウェアを作る知見もスキルセットもない場合が多いので、極端な話「僕らは、一枚、一行の企画書から始めて、動くサービスを作ることができる」ということクライアントに言っています。それはすごく難しいことなんですが、僕らは本質的にはそういうことを目指していて、実現するための道具立てが揃ってきたので、そういう言い方をしています。
コミュニティを通して気づいた、不完全を補完するチームとしての値打ち
岩切 ► ある程度大きくなっちゃうと、作らないで90%カバーするとか、正しく作るといった信念を浸透させていくというのは難しいのかなと思うのですが、今後人数や規模はどのようにしようと考えていますか。
大石 ► 今44人でやっているのですが、3年後にはまず100人にしようと思っています。
岩切 ► 100人、すごいですね。
大石 ► 少なくとも3年後までは「作らない」ポリシーを通せるんじゃないかなと思っています。そこから先は、時代の状況を見ながらになりますが、100人のスケールならおそらく大丈夫。
岩切 ► 100は一つの区切りでもありますからね。市谷さんはどうですか。ギルドワークスは創業間もないですが。
市谷 ► 実は僕らも、始まる前から目標としていた人数があって、108人。
鍋島 ► 『水滸伝』で梁山泊に集う豪傑の数ですね。
市谷 ► そうです(笑)。なんでも出来るスーパーマンは世の中にたくさんいないけど、「いいデザインをする」「アンドロイドアプリが得意」 「アジャイルな開発の経験値が高いです」、といった、何かしら得意技を1つないし2つ持ってる人はいます。そういう人たちとつながって、お互い足りていないところを補完し、強いところを高め、チームとして値打ちを出していきたいなと、コミュニティをやってきた中で気づきました。私を始め多くの人は不完全かもしれないけど、ひとつひとつの値打ちが集まったとき大きな力になる。
