ユーザー企業とシステムインテグレーター、それぞれから見たAWS
ディスカッション本編、一つ目のテーマは「ユーザーとシステムインテグレーターはお互いにどう見えている?」。松本氏は「最初にE-JAWS(Enterprise JAWS-UG)をリードしていただいている宮本様は、かなり初期の段階でAWSを気に入っていただいています。そこからの苦労などがあれば簡単に聞かせていただけますでしょうか」と話を切り出します。
宮本氏はその問い掛けに対し、「2~3年前の段階であればAWSを使いましょうと提案しても、当社のパッケージはAWSで動きません、と言われることもありました。AWSが分からないんです、と言われることもあり、そこに対しては小さな検証などを重ねて説得していきました。事例の少なさに不安を覚えている担当・営業の方もおり、ばらつきや温度差があった印象です」とコメント。三澤氏は「黒船が来た!という印象でした。私は個人的に東京リージョンができる前から勉強していたので、これを活用しない手はないな、と。一方で、システムインテグレーターとしてどうAWSを活用していくか、協業していくか、という解がすぐ出なかったのも正直なところです」と当時の印象について振り返りました。
また、槇氏は「私も関心を持ち始めたときは、素早く動作検証などが行えるところがメリットでもあるAWSを我々がどう使うか、というところで解が見えなかったのは確かです。しかし、諸々の認証を取った辺りから変わってきました。使うことが前提になった場合にどういう障壁があるのか、法規制やセキュリティ対策などをどうしていくか、という形にアプローチが変わるポジティブな変化です」と、取り組み前後における環境や状況の変化について語りました。
AWSを使いたいユーザー企業はシステムインテグレーターをどう選ぶべき?
テーマの2つ目は「ユーザーから見た、良いシステムインテグレーターの見つけ方と接し方について」。AWSを取り入れることによって、システムインテグレーターとの接し方、また良いシステムインテグレーターを見つけるための方法についても変わってきているようです。
宮本氏は「新しい仕組みを構築する際、結果的に新しいシステムインテグレーターと取り組むことになっていました。組む際のアプローチも、ネットで調べてこちらから電話する形を主に取りました。これまでは競合数社のシステムインテグレーター側のアプローチから始まり、こちらがその中から選ぶという形でしたが、そういう形については今後なくなってくるのかな、という気がします」と、その環境変化について語りました。
長井氏は「AWSにすると、アプリケーションやデータベース、OSといったすべてを見ないといけなくなります。そういう変化が出てきました。縦のレイヤーにも横のレイヤーにもマルチで見なければいけないことがあり、その辺りで道半ばという印象です」と、AWSに取り組む側で必要とされる体制面の変化についてコメント。
槇氏が「各種専門家、縦割りでスキルセットを作ってきたものがAWSによって壊された。育成が難しいと思いますが、その点はどのように挑戦し、今の形に至ったんでしょうか?」と問いを投げると、長井氏は「組織が綺麗に分けられていないので、各自がマルチに対応して行いました」、三澤氏は「コアテクノロジーをもったエンジニアが、そのコアな部分だけでなく、各コンポーネントについても網羅的に把握していないといけなくなりました。AWSに興味をもった部署にアカウントを配布してトレーニングを受けてもらう、などの草の根活動を行い始めています」と、実際の取組み内容について回答。
これらのやり取りを受けて、松本氏は「私も前職では比較的広くやっていたので違和感は無かったのですが、これからは『◯◯しかやってこなかった』という人がAWSに入ってくると大変だろうな、ということを正直思っています」とコメントし、取り組む側に求められるスキルセットに関してまとめる形となりました。
