HTML5は、新機能として、Webにおけるプラグインなしでのビデオや音声の再生、プログラムによるビットマップ図形の二次元描写(グラフ、ゲーム用グラフィックス、その他画像の動的表示)、SVG(Scalable Vector Graphics)およびMathML(数式記述)の文法でのサポート、東アジア地域向けのテキスト組版(Ruby)、豊富な機能を持つアプリケーションにおけるアクセシビリティの担保を実現する。
2014年に実施された英VisionMobileによる調査では、調査に協力したデベロッパの42%が、HTMLとCSS、JavaScriptの組み合わせをモバイルアプリケーションの一部、あるいはすべてに使用しており、米GartnerはHTML5を2015年と2016年のモバイル技術や機能のトップ10の1つとして挙げるなど、幅広く利用されている。
W3CがHTML5の仕様定義完了を発表した2012年12月以降の22か月間、W3Cコミュニティは「一度書けばどこでも展開可能」を保証すべく、HTML5テストスイートに10万以上ものテストを追加した。なお、「Test the Web Forward」のコミュニティは、現在もオープン・ウェブ・プラットフォームの相互運用性を推進するために、活動を継続中である。
このほか、HTML5勧告では60以上の企業がW3Cの特許方針の下に、ソフトウェアの実装者が使用料の支払いを必要としないロイヤリティフリーのライセンスに同意している。
すでにW3Cでは、HTML5の先を見据えた議論を重ねており、オープン・ウェブ・プラットフォームをより強化していくために必要な項目として、セキュリティとプライバシー、Webデザインと開発、デバイス間の相互運用性、アプリケーションのライフサイクルなどの項目を挙げており、これらについて10月末に開催する例年の技術会議(Technical Plenary Advisory Committee Meeting)において議論を行う。
【関連リンク】
・World Wide Web Consortium(英語)