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いまさら聞けないクラウドのアレコレ(1)
~地殻変動が起きつつあるクラウド業界~

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2015/05/18 14:00

目次

クラウド業界で起こる地殻変動

 図7は、全世界におけるサーバー売上シェア(2014年)を示したものです、ここに新たにODM Directと呼ばれるODM企業から直接共有されるサーバー出荷売上パーセンテージが加わってきています。この数字の元となっているのはQuanta社やHonHai社などODM企業の売上数値となっており、その数もすでに7.8%になっています。

図7. 全世界におけるサーバー売上シェア(2014年)
図7. 全世界におけるサーバー売上シェア(2014年)

 やや冗長ではありますが、2014年時点でのサーバーの流通経路に関する近年の変化を見てみましょう(図8)。

 旧来通りであれば、サーバーはEMS/ODMという製造メーカーからブランドを持ったベンダーを経由して商品が供給されていました。しかし、HyperGiantと呼ばれるGoogleなどのWebサービス事業者やクラウド事業者がODM企業と直接契約により自社のシステム設計思想を反映させた独自開発のサーバーを昨今調達するようになったのです。

図8. サーバーの流通経路に関する近年の変化(2014年時点)
図8. サーバーの流通経路に関する近年の変化(2014年時点)

 独自開発とはいえ、台数が多ければ多いだけコスト削減効果も高く、またサーバーに独自に組み込みたいシステム設計思想も容易になるとあれば、やはりその傾向も加速していくというものです。その傾向は、すでにマーケット動向にも表れています(図9)。

 図9は、ODM企業から直接提供されるサーバー売上シェアの伸び率を表しものです。単純比較でやや乱暴に作った数字ではありますが、純増ベースでいけば2015年にはODM企業から市場に直接供給されるサーバー売上シェアは10%に近づくことになります。誇張した表現を恐れなければ「世界の1割のコンピューティング資源がネットワークを通じて毎年新たに供給される」ことを意味しており、その伸び率がどこまで加速していくのか未知数ではありますが、楽しみな未来がそこまで来ているのが分かります。

図9. ODM企業から直接提供されるサーバー売上シェアの伸び率
図9. ODM企業から直接提供されるサーバー売上シェアの伸び率

 サーバー仮想化の普及から15年以上、クラウドの普及から5年近くこの業界動向を見守っている筆者からみても、この変化はなかなかに凄いという印象があります。

 概算・推定のデータも今回ご紹介した数値の中には多々含まれていますが、クラウド業界の今後を占う意味でのレポートとして参考にしていただければ幸いです。

次回予告

 さて次回も『いまさら聞けないクラウドのアレコレ』と題して、私たちを取り巻くコンピューティング環境の変化と実際を解説していきます。ご期待ください。



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連載:いまさら聞けないクラウドのアレコレ

著者プロフィール

  • 松本 直人(マツモト ナオト)

    1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任) 研究テーマはネットワーク仮想化など。...

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