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いまさら聞けないクラウドのアレコレ

いまさら聞けないクラウドのアレコレ(2)
~スタートアップ企業のジレンマ~


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 本連載では、すでに5年を経過しようとしている日本のクラウド業界動向を、さくらインターネット研究所の独自調査に基づきご紹介します。今回は『いまさら聞けないクラウドのアレコレ(2)~スタートアップ企業のジレンマ~』として、私たちを取り巻くコンピューティング環境の変化と実際を見ていきましょう。

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私たちが利用可能なコンピューティング手法

 前回のおさらいとして、私たちを取り巻くサーバー環境について見ていきましょう。「サーバー仮想化? そんなの使えるの?」という時代があり、「クラウド? そんなの使えるの?」という歴史を経て、現在私たちはいくつかの利用形態によってコンピューティング資源を利用しています(図1)。

図1. さまざまな利用形態を経て企業活動に必要なシステム資源が提供される
図1. さまざまな利用形態を経て企業活動に必要なシステム資源が提供される

 しかし、クラウドコンピューティングの普及により計算機資源をネットワーク越しに提供されるようになった結果、特定のホスティング企業(クラウド事業者なども含む)に膨大なサーバー資源が集約運用されるようになりました。現在の私たちのコンピューティング環境では、HyperGiantと呼ばれるGoogleなどのWebサービス事業者やクラウド事業者がネットワークを介して大多数の企業に対して計算機資源を提供する世界が現実のものとなったのです(図2)。

図2. サーバー稼働台数によるシステム設計思想の違い
図2. サーバー稼働台数によるシステム設計思想の違い

 やや古いデータではありますが、Huan Lui氏がまとめるブログによれば、Amazon Web Serviceのデータセンター規模は、2012年の推定数として5,000ラックを超えており、おそらく現在も拡張が続いています(図3)。

 日本国内を拠点とする大企業であっても、これだけの規模のコンピューティング資源を単一の会社で保有・利用することは稀であると思います。19インチラック1本に30台以上のサーバーをすべて詰め込んでも15万台以上というコンピューティング資源になるわけですから。

図3. Amazon Web Servicesが保有する19"ラック保有数(推定)[2012年]
図3. Amazon Web Servicesが保有する19"ラック保有数(推定)[2012年]

 つぎに視点を変えて、Amazon Web Servicesのようなパブリッククラウドを利用する企業の立場からコンピューティング資源の利用について見ていきましょう。

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この記事の著者

松本 直人(マツモト ナオト)

1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/8648 2015/05/25 20:10

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