Pinterst社が乗り越えてきた成長のジレンマ
さらに先行事例の紹介として、Netflix社につづいてPinterest社が乗り越えてきた成長のジレンマを見ていきましょう。図7はPinterest社のシステムエンジニアにより海外カンファレンスで発表されたスタートアップ当初からのインスタンス数増加を、前述のNetflix社のグラフに当てはめたものです。
この数値は、筆者が資料をもとにやや乱暴に集計したものなので正確性という意味では悩ましいところはありますが、それでも設立当初は数台であった仮想マシン・インスタンスが4年で1,700インスタンスを超えるまでに成長していることが分かります。こちらも以後の連載でも紹介する予定ですが、当然これらのシステムの構築運用に関わるシステムエンジニア数も比例して増加していきます。
RightScale社が2015年に発表したState of the Cloud Reportによれば、私たちを取り巻くコンピューティング環境では企業がプライベートクラウド、パブリッククラウド、サーバー仮想化に取り組んでいるのが当たり前の状況であり、スタートアップ企業もその中にいます(図8)。
繰り返しになりますが、2桁の仮想マシンやネットワークであれば容易に構築できるものが、1000台近くともなれば、性能評価および安定性を考慮して日々の運用と構築が必須になってきます。当然台数が増えれば、増えるだけコストに関する意識もシステムエンジニアの視点からだけでなく経営的な視点からも変化してきます。
再び同じ言葉の引用ですが、コンピューティング資源を「利用する」か「保有する」かその選択は、どのようスタートアップ企業であれ成長が持続する間は必ず迎えるターニングポイントの一つとなるのです。
プライベートクラウド、パブリッククラウド、サーバー仮想化、データセンターの利用とスタートアップ企業は、確実にどこかで成長のジレンマと選択を迫られることになるのです(図9)。
次回予告
さて次回も『いまさら聞けないクラウドのアレコレ』と題して、私たちを取り巻くコンピューティング環境の変化と実際を解説していきます。ご期待ください。



