「つながる」アプリケーションが生む付加価値
自動車修理大手チェーンでの機会損失
「つながる」という意味では、既存のデスクトップアプリケーションとモバイルをつなげることによって、新しい価値を生み出す例もあります。
米国の自動車修理の大手チェーン「MIDAS」では、故障した車をチェックすると、まずお客さまに故障箇所と必要な修理内容を説明していました。すると、ほとんどのお客さまの回答は、とりあえず「やらなくていい」ということでした。自分で具体的に何が壊れているのか見たいというのがその理由です。
このようなやり取りの結果、実際に修理に応じるのはわずか25%でした。
既存システムにモバイルアプリを追加
同社では、Delphiで作られた既存のシステムに、新たにモバイルアプリを加えました。修理工は、デスクトップアプリと通信するモバイルアプリを使って、故障箇所の写真を撮ったり、車の所有者の情報を閲覧したりできるようになりました。
このアプリケーションのおかげで、車の所有者は、すぐに自分で故障箇所を確認できるようになったので、「それなら直してください」というようになり、結果、従来の2倍のお客さまが修理に応じるようになりました。
これはビジネス面で大きな成果を上げたわけですが、実際のアプリの開発はわずかで、既存のシステムを大きく改修するものでもありませんでした。「マルチデバイス対応」と「つながる」というDelphiの利点を生かしたよい例でしょう。