#4 チームのコミュニケーション
コミュニケーションは、ミッションやビジョンの共有、進捗や課題の把握をしていく上で欠かせないものですが、コミュニケーションにおいて、物事を伝えたからといって行動が起こるとは限りません。伝えたことが最終的に「相手による有益な行動」にまで移ることで、初めて「コミュニケーションが成り立った」と言えるのです。言い換えると、その状態になる、すなわち「伝わる」まで繰り返す必要があります。
コミュニケーションの種類は、大きく「同期型」と「非同期型」に分けられます。前者は時間軸を共有し、皆で集中して取り組むスタイルです。計画作りや障害対策会議などが適しています。後者は時間軸が異なり、自分のタイミングで動くことができ、割り込みが発生しにくいですが、相手が増えると手間と時間が増え、意図した内容が伝わったかどうかが分かりにくいという欠点もあります。チームにおけるコミュニケーションはこの2つの型を使い分けていく必要があります。
コミュニケーションの観点では、「会議」も改善すべきポイントであると吉羽氏は言及します。「会議の割合が業務時間の25%を超えるような場合、組織構造に欠陥があると見てよいです」とし、会議の在り方についても見直しすべきと、吉羽氏は強調しました。
#5 評価とフィードバック
最後のテーマは「評価とフィードバック」。個人に意見を聞くと、往々にして「評価のされ方」に不満があることが多いものです。この部分について吉羽氏は「基本原則として、まず先にゴールを設け、見える化しておけば、どこに問題があるかが分かります。さらには公平公正であることが重要です」とコメント。定量評価と定性評価もハイブリッドで組みあわせるのがよいと述べました。そして、そもそも「評価することが目的ではなく、うまくやることが目的」なので、フィードバックサイクルを短く回して改善を重ねていくべきだ、とも補足しました。
フィードバックの方法については「『あなた vs わたし』ではなく『問題 vs わたしたち』となるように、また個人攻撃と取られないような形の取り組みを行っていくことがポイントだ」と解説し、最後に「頑張ってください!」と参加者へ強い呼び掛けを行って発表を締めました。