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翔泳社の本(AD)

ゲームのデータ分析は何からやればいいのか? 分析に必要な思考・方法・体制の概要を解説

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 ゲームのデータ分析は、データの収集と分析だけでなく、そこから課題を見出して解決策を考案して実行し、よりよいゲーム体験を提供することで収益につなげるまでがセットです。ですが、そのためのノウハウや資料が揃っている現場は限られています。そこで今回は、現代のゲーム開発・運営において不可欠となったデータ分析の方法について、まずどのように考えて実行していけばいいのかという概要を『ゲームデータアナリティクス』(翔泳社)から紹介します。

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 本記事は『ゲームデータアナリティクス よりよい開発・運営に向けたデータ分析の教科書』(原著:ThinkingData)の「Chapter 1 ゲームデータ分析の概要」から抜粋したものです。掲載にあたって編集しています。

※本書は『遊戯数拠分析:従方法到実践』の邦訳版です。

ゲームデータ分析の概要

 スマートフォンなどの汎用デバイスが普及したことで、ゲームは今まで以上に誰もが手軽に楽しめるようになりました。ユーザーは、日常生活のさまざまな場面でいつでもゲームを遊び、楽しむことができます。市場の拡大およびアプリストアが普及したことで参入障壁が下がり、ゲーム業界では競争が激化しました。そのため、ユーザーの獲得と維持がこれまで以上に困難になってきています。

 ゲーム会社は、これまで以上に効率的にユーザーを獲得し、継続的にゲームを改善してよりよい体験をユーザーに提供することで、長期的なゲーム運営を目指していく必要に迫られています。このためには、データ分析は有効であり、多くのゲーム会社がデータ分析に取り組む必要があります。

 ここでは、ゲームデータ分析の概論、価値、思考法・体制、そしてゲームデータアナリストの能力など、ゲームデータ分析に必要な前提知識を概説します。

ゲームデータ分析の概念

 まず、分析の前提となるデータという概念を明確にする必要があります。データは情報の媒体ととらえることができます。ゲーム内外のユーザー行動はさまざまな手段で収集、統合、保存されます。ゲーム業界では、データを「基礎データ」「行動データ」「指標データ」「アンケートデータ」という4つに分類します(図1)。

図1 分析対象となる4層のデータ
図1 分析対象となる4層のデータ
  • 基礎データ
    アカウント情報、設定データなど、ゲームを機能させるために必要なデータです。ユーザーを識別したり、機能を正確に動作させたりするために必要なものです。
  • 行動データ
    課金、ステージクリアなど、ユーザーのゲーム内での行動に関するデータです。あるときにあるユーザーがその行動を取ったことを示しており、ユーザー理解を深めるために必要なものです。
  • 指標データ
    ユーザー数、課金率など、行動データを集計・抽出した、ゲームの運営状況を示すデータです。ゲーム運営の良し悪しや全体としての傾向を示しており、よりよい意思決定を支えるものです。
  • アンケートデータ
    SNSや問い合わせフォームを通じて取得したユーザーの声などの非定型データ・非構造なデータです。分析時においては定性的かつバイアスがかかっているケースがあるため解釈が困難ですが、ユーザーの声を直接示すものであり、より深い示唆を得るために必要なものです。

 ゲームデータ分析は、主にゲーム内の行動データや指標データを処理・収集しつつ、集計・抽出プロセスを適切な手法で実行することにより、ユーザーを理解し、ゲーム運営に関する意思決定を支援します。激化するゲーム市場において、ゲーム会社はより高い競争優位性を確保する必要がありますが、それを生み出す1つの方法として、ゲームデータ分析の需要が高まっているのです。

 ゲームデータ分析は、ゲーム会社が以下の目的を達成するために行われます。

  • ユーザーの行動や心理を理解し、ゲーム性や機能を改善することで、ユーザーの満足度を高める
  • ユーザーの行動や心理を理解し、よりよいゲーム体験を提供し続けることで、ゲームの寿命を伸ばす
  • ゲーム内のユーザーの行動や心理を理解し、それをプロモーションにも活かすことで、マーケティングの費用対効果を向上させる

 これらの目的を達成するためには、ゲームデータの収集と分析が不可欠です。

 世界中のゲーム会社が、データ分析チームの組成、データ分析プロセスの改善、データ分析基盤の構築に注力しています。大手のゲーム会社は豊富な経営資源と高い技術力に支えられ、自社でデータ分析チームやデータ分析基盤を開発するケースが多く見られます。

 また、データのセキュリティと管理にも力を入れています。中堅規模のゲーム会社もデータ分析の重要性を認識していますが、自社開発でなく外部のデータ分析ツールを導入するケースが多く見られます。一方、中小規模のゲーム会社の場合は、基本的なデータ分析が中心であり、データ分析プロセスの改善が急務です。

ゲームデータ分析の価値

 ランダム性や偶然性により、ユーザー個々の行動を完全に予測することは不可能です。しかし集団として束ねることにより、大量のデータから一定の規則性を見つけ出すことはできます。特定の行動をしたユーザーがいるとき、そのユーザーと同様の属性を持つ他のユーザーも同じ行動をする傾向があります。特定のユーザーが取る行動の理由や意図を完全に解明することはできないかもしれませんが、ユーザーを束ね、その後の行動との関係を分析することで、同じ属性を持つグループが同じ行動をする可能性を予測することはできます。このようにして、ゲーム会社は、意思決定の根拠を得ることができるのです。

 まず、ゲームが公表される前やリリース直後のテスト期においては、運営チームはゲームがユーザーに受け入れられるかどうかに注目します。主に「ユーザーの翌日の継続率」「3日後の継続率」「7日後の継続率」「課金率」などの指標がそれらを表現します。

 これらの指標により、ゲーム性がユーザーに受け入れられているかを検証でき、その後のユーザーの継続性と収益性を評価できます。そしてこれらに基づいて、経営資源の配分、運営計画の策定、ゲームバランスの調整、投資する広告費の調整を行うことができます。

 次に、リリース後の「成長期」においては、運営チームは獲得したユーザーが優良であるか、ゲーム性がユーザーに合っているかに注目します。主にコアとなるゲーム機能の実施回数、ゲーム内のリソースの獲得・消費量、初課金回数などの指標がそれらを表現します。

 これらの指標を用いて、ゲーム内で流通したり取引されたりするリソースと、それらを消費して実行されるゲーム機能のバランスを確認することにより、ゲーム内でのエコシステムの妥当性を評価します。これらに基づいて、ゲーム内でのリソースの供給量の調整や購買できるアイテムのプライシングの策定など、より詳細な運営施策を立案することができます。

 最後に、リリースから一定以上の期間が経過したあとの安定・拡大期においては、ユーザーのアクティブ率や課金率の向上など、ビジネス目標の達成に注目します。この段階ではデータ分析の役割はますます重要となり、分析の対象や粒度はより細かくなります。ユーザーを新規/既存、課金/無課金など、異なるユーザー属性に分類して指標を分析します。

 これらを通じて、ユーザー属性ごとのニーズや課題を把握し、効果的な運営やマーケティング戦略を策定することができます。

 ゲーム会社は、このようなデータ分析のプロセスを通じて自社内でノウハウを蓄積し、「経験に基づくアプローチ」から「データに基づくアプローチ」へと進化していくことができます。これによって効率的で効果的な組織運営をも実現させることができるでしょう。

 さらに、ゲーム会社がこれまで以上に精度の高い意思決定を行えるようになれば、ユーザーの期待や市場のニーズに合致したゲームを作れるようになるでしょう。このように、データ分析は、ゲーム業界全体の品質向上に寄与することもできるのです。

図2 ゲームのライフサイクルと分析内容
図2 ゲームのライフサイクルと分析内容

ゲームデータ分析の思考、方法、技術

 データ分析は、ゲーム開発や運営の成功に不可欠です。データ分析に関連する思考、方法、技術を理解し、それらを効果的に活用することは、魅力的でユーザーに愛されるゲームを開発・運営することにつながります。

ゲームデータ分析の思考

 多くのゲームデータ分析の専門家は、効率的で包括的かつ専門的な指標体系を策定し、指標の変化を観察することで、ビジネスの秘訣を見つけ出し、効果的な意思決定を行って、ビジネスの成長を実現しようとします。しかし、実際のビジネスシーンではうまく機能しないことがあります。

 ゲーム内で見るべき指標は非常に複雑です。データを収集して分析を行い、それらに基づく意思決定を行うまでのプロセスにおいては、さまざまな課題が発生します。これらの課題によって、意思決定が偏ったり役に立たない分析が行われたり、そもそもデータが収集できなかったりすることもあります。そうなってしまう非常に重要な要因としては、データアナリストがデータ分析の思考法を欠いていることが挙げられます。

 データ分析の思考は、大きく3つのカテゴリに分けられます。ビジネス思考構造化思考先見的思考です。

ビジネス思考

 ビジネス思考とは、データ分析を行う際に、あくまでもビジネス上の目標を念頭に置くという考え方です。ビジネス思考の鍵は、北極星指標と呼ばれる、ビジネス全体での核心的な指標を見つけることにあります。北極星指標を用いて、ビジネス全体の進捗状況を監視し、これらの指標に基づいて意思決定を行い、ビジネスの成長を実現します(図3)。

図3 ビジネス思考
図3 ビジネス思考

 データ分析は、ビジネスの現場と結び付けられることによって真価を発揮します。データアナリストは、いまあるレポートやダッシュボードに固執して、単にそこに表示されるデータ指標を観察し、それを絶対視することがありますが、これは偏った考え方です。なぜならほとんどの場合、指標はユーザー行動の集合的な表現であり、ユーザー行動の一部しか示していないからです。

 データアナリストにとって、データ分析の真価とは、そこにあるさまざまなデータとビジネス思考が組み合わされることで発揮できるものなのです。

構造化思考

 データ分析のプロセスにおいて、指標はビジネスの客観的な状況や傾向をとらえるために重要です。ゲームコンテンツの追加やキャラクターデザインの変更といったゲーム運営上の施策は、指標の変化として反映されます。そのため、問題を迅速に発見したり、より目標に向けて最適化したりしたい場合に指標が役立つのです。

 ゲームのデータ分析は、一般的に「問題を発見する→仮説を立てる→仮説を検証する→問題を解決する」というプロセスで行われます。このプロセスを効率的に回すためには、それぞれで構造化思考の能力が必要です。構造化思考は、中心的な論点(仮説)を提起し、データで論点(仮説)を検証していくという思考方法です。特定の問題に対して、目的をよく理解し、重複せず、また漏れなく、下位の問題へ分解しながら仮説を立案し、データを用いてそれを検証して、これらの問題の解決へとつなげます(図4)。

図4 構造化思考
図4 構造化思考

 構造化思考は、データ分析の基礎的な思考方法ですが、データアナリストはゲーム性やゲームの機能はもちろん、データの構造までをも多角的に思考することにより、データ分析の真価を発揮できるようになります。

先見的思考

 先見的思考は、ゲームデータ分析基盤を構築する際に、ゲーム市場やプロダクトの将来に関する長期的な発展を十分に考慮しながら、将来発生する可能性のある新たな分析ニーズに対応する余地を残すという考え方です(図5)。

 例えば、データプランの設計段階においては、汎用的で拡張が容易なようにデータ構造を設計し、今後のキャンペーンの実施やゲーム機能の追加によってデータプランの管理コストが増加しないように考慮することになります。また、各行動データのプロパティを詳細に収集することで、将来におけるデータ分析の基盤を固めることができます。

図5 先見的思考
図5 先見的思考

 データ分析は一度限りの作業ではなく、継続的にブラッシュアップされるものだということをゲーム会社は認識しなくてはなりません。つまり、データ分析基盤を構築する際には、現在のビジネスニーズだけでなく、将来の発展も考慮する必要があるのです。

ゲームデータ分析の方法

 ゲームデータ分析には、以下に挙げるような一般的なフレームワークがあります。

  • 5W2H
  • RFM
  • AARRR

 5W2Hは、一般的によく使われるフレームワークの1つです。5W2Hのそれぞれは、What(何が起こったのか)、Where(どこで起こったのか)、When(いつ起こったのか)、Who(誰が関わったのか)、Why(なぜ起こったのか)、How(どのように解決したのか)、How much(どれくらい解決したのか)を表しています。

 RFMは、ユーザーの価値に基づいたフレームワークです。RFMはRecency(最近の課金日)、Frequency(課金頻度)、Monetary(課金額)を示しています。一般的には、累計の課金額に応じて、ユーザーを無課金/ライト/ミドル/ロイヤルなどのセグメントに区分します。しかし、このユーザーの累計課金額に基づく区分は、荒く、適切ではないことがあります。RFMを使用することで、課金という軸でユーザーをより詳細に区分し、表すことができます。

 AARRRは、ユーザージャーニーに基づいて5つの重要な段階をカバーし、ゲームの全体的な状況を分析するためのフレームワークです。ここで言う5つの段階は、Acquisition(ユーザーの獲得)、Activation(活性化)、Retention(維持)、Revenue(収益)、Referral(紹介)を表しています。

 それらのフレームワークを用いてデータ分析を行う方法として、比較分析法とファネル分析法があります。

 比較分析法は、横方向の比較と縦方向の比較の2つに分けられます。同じ条件によって抽出・集計している指標においても、その他の状況が異なるかどうかで評価することがらが変わります(図6)。

図6 比較分析法
図6 比較分析法
  • 横方向の比較
    時間経過以外のその他の状況が同一である場合に、時間経過による影響を評価するためのものです。例えば、1週間前と1カ月前のアクティブユーザー数を比較して、アクティブユーザー数の変化の傾向を分析することができます。
  • 縦方向の比較
    時間経過以外のその他の状況が異なる場合に、その異なっている状況を評価するものです。例えば、新機能のリリース前後でアクティブユーザー数や課金率の変化を比較し、新機能の有効性を分析することができます。この場合においても、時間経過という状況は変化するため、その影響が時間経過によるものなのか、その他の状況によるものなのかを判断する必要があります。

 比較分析法はごく一般的に行われているものですが、特に縦方向の比較には、その影響の原因を探る多面的な分析が必要です。構造化思考を欠いていると、誤った意思決定を導いてしまう可能性があります。

 ファネル分析法は、ユーザーがゲーム内でどのような行動を取ったかをステップごとに分析する方法です。例えば、ゲームのインストールから課金までのステップをファネルとしてとらえ、各ステップにおけるユーザーの離脱率を分析することができます。

 ファネル分析法を使用することで、ユーザーがゲームを離脱する原因を把握することができます。この情報を基に、ユーザーの離脱を防ぐための施策が検討できます。

ゲームデータ分析の体制

 ゲームデータ分析に向けた体制を構築していくことは、ゲームデータ分析の思考、ゲームデータ分析の方法を身につけたうえで、具体的に分析を実行していく際に必要となるものです。ゲームの特徴やユーザーの行動の意図を理解し、適切なデータ分析手法を選択することで、分析結果による改善を行うための意思決定につなげていきます。

 ゲームデータ分析は、主に2つの体制で実行されています(本書刊行時点)。

ビジネスサイドと技術サイドの連携体制

 ビジネスサイドの分析ニーズに対応して、技術サイドは分析モデルを構築し、ユーザー行動データから指標を抽出・集計する処理ロジックを定義します。これらの指標は、ビジネスサイドに定期的に提供されます。この方法は、分析ニーズが定型的であって、計算量が多い分析シーンに適しています。この場合、データ分析のリアルタイム性はあまり求められません。例えば、ユーザーの日次/週次での課金額を把握する分析ニーズに対しては、すでに集計されたデータを用いて計算を行い、ビジネスサイドへと定期的に提供します(図7)。

図7 ビジネスサイドと技術サイドの連携イメージ
図7 ビジネスサイドと技術サイドの連携イメージ

ビジネスサイドの単独体制

 データストリーミングをベースとしたリアルタイム分析は、データが収集された直後に分析を行う方法です(図8)。この方法は、ニーズが変化する可能性があり、リアルタイム性が高い分析シーンに適しています。例えば、キャンペーンが追加された場合に、その直後のゲーム内のユーザー行動をリアルタイムに確認し、ユーザー反応を把握したり、ゲームのパフォーマンスをモニタリングしたりする際に必要となってきます。

図8 ビジネスサイドの単独作業イメージ
図8 ビジネスサイドの単独作業イメージ

 これらの方法には、それぞれにメリットとデメリットがあります。適切な方法を選択することで、ゲームデータ分析の効率と効果を高めることができます。

 一般的に採用されるのは、ビジネスサイドと技術サイドの連携体制であることがほとんどです。ビジネスサイドがビジネスニーズに基づいて指標を定義し、技術サイドがその指標の処理ロジックを定義して、レポートとして指標を表示します。ビジネスサイドはそれらを閲覧して、指標の変化を観察し、データの分析を行います。

 この場合、技術サイドが提供するレポートの更新頻度は固定的であり、その内容は定期的に抽出・集計されたデータ、つまり非リアルタイムのデータがほとんどです。そのため、データ分析プロセスにかかる時間は長く、柔軟な意思決定につなげることはできません。

 リアルタイム分析は、ゲーム業界ではまだ主流ではありませんが、その活用はますます広まっています。この方法は、大規模データに対して秒単位の応答速度を実現し、データが格納されたタイミングで計算を行うため、ゲームの最新の状態をモニタリングすることが可能になります。

 例えば、この技術を使用して、リアルタイムアラートを実現することができます。特定の指標が事前に設定されたしきい値を超えるとすぐに通知され、ゲーム運用中の大規模な事故を回避できます。

ゲームデータアナリストに求められる能力

 ゲームデータアナリストには、データ分析の能力が求められます。これは、「問題を見つけ、仮説を立て、仮説を検証する」というプロセスそのものです。データアナリストの最も重要な役割は、問題解決のための道筋を立てることです。大きな問題を小さな問題に分解し、小さな問題を解決しながら、解決策が有効だったかデータ分析を通じて判断します。

 つまり、ゲームデータアナリストに求められる能力は、「本当に検討すべき論点を見つけ出すこと」だとも言えます。例えば、ビジネスサイドがアナリストに対して、直近1週間のアクティブユーザーの課金額とキャンペーンへの参加回数の指標を提供するよう要求したとして、アナリストはその依頼に隠れた本質的なニーズが、「キャンペーン参加がユーザーの課金を促したか」というものであり、それこそが答えるべき問いだととらえ直す必要があるのです。

 データアナリストは、ゲームのビジネスシーンに詳しいことはもちろん、データ分析の全プロセスであるデータの収集・送信・処理・格納・計算というプロセスに全体に関する論理も理解している必要があります。さらに、データアナリストは、マーケティング、経済学、統計学、心理学など、さまざまな分野の知識を幅広く学び続け、総合的な能力を向上させなければなりません。

 また、データアナリストにとって、さまざまな分析ニーズに対応するために自分に適した分析ツールを見つけることも必要になってきます。市場には多くのツールがあり、昨今では複雑なデータ分析プロセスをノーコードで簡単に実行できるツールも提供され始めています。

 例えば、ThinkingData社が開発した統合データソリューション「ThinkingData(シンキングデータ)」は、本書『ゲームデータアナリティクス』で言及する第3世代データ分析基盤であり、ノーコードで柔軟な分析ニーズに対応できます。ゲーム市場の競争が激化する中、データ分析の重要性は高まっているため、適切なツール選択も重要課題となっています。本書で解説する具体事例の多くはThinkingDataおよび多くの第3世代データ分析基盤による分析を前提としています。

 ゲームデータアナリストには、ビジネスへの深い理解、専門的なデータ分析方法の習熟、効率的なデータ分析ツールの選択および使用に関するスキルが必要となります。これにより、ゲームデータ分析のさまざまな課題に対し、自信を持って応じることができるようになるのです。

ゲームデータアナリティクス よりよい開発・運営に向けたデータ分析の教科書

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ゲームデータアナリティクス
よりよい開発・運営に向けたデータ分析の教科書

著者:ThinkingData
翻訳:ThinkingData Japan
発売日:2024年9月17日(火)
定価:3,410円(本体3,100円+税10%)

本書について

本書は、ゲームに特化した視点でデータ分析の方法論を学ぶ、唯一無二の教科書です。多様な例を挙げながら、アナリストとして知るべき競争力を強化するための基本知識を一冊にまとめました。

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この記事の著者

渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)

 翔泳社マーケティング課。MarkeZine、CodeZine、EnterpriseZine、Biz/Zine、ほかにて翔泳社の本の紹介記事や著者インタビュー、たまにそれ以外も執筆しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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