デジタルディストラクション時代に保険会社が取り組むJava戦略
損保ジャパン日本興亜株式会社 取締役常務執行役員の浦川伸一氏は、同社で長年使用してきた基幹システムをメインフレーム環境から移行するにあたり、なぜJavaを選んだのか、どのJava技術を使用するのかを、同社のJava戦略として紹介した。
損保ジャパン日本興亜では、システムの移行にあたり、まずその実現方式として大量のレガシーコードを流用するのか、リライトするのかを検討。リライトに決定した後は、プログラミング言語として現行のCOBOLを継続するか、新しい言語を使うかを検討し、Javaを選択した。さらにフレームワークとして、OSS製品、商用製品、Java EEのどれを使うかを検討し、最終的にJava EEに決定した。
では、Java EE 7をどのように利用するのか。プレゼンテーション層についてはJSFまたはMVCを検討したが、MVCはJava EE 8で導入予定であるため、当面はJSFを利用することに決定。ビジネスロジック層では、コンテナを利用し、かつ、サービスをインジェクションにより疎結合で利用するためにCDIを使用する。データベースアクセス層ではO/Rマッピングを導入し、JPAを採用した。CDIとJPAに関しては日本での活用事例はまだ少ないが、将来を見越して選定したと言う。その他にも、JAX-RS、バッチ、アノテーションなどを活用する予定だ。
損保ジャパン日本興亜は2015年、保険会社としては世界で初めてJCPに参加。浦川氏は、「保険の先へ。挑む」との言葉を掲げ、Javaへの積極的な取り組みを続けていくと述べた。
Javaエバンジェリストがバイクで日本各地のJavaユーザーグループを訪問
Javaエバンジェリスト、Stephen Chin氏、Sebastian Daschner氏は、東京から名古屋、岡山、福岡、広島、大阪をバイクで巡り、各地のJavaユーザーグループでセッションを行ったNightHacking Tour in Japan 2016を紹介した。
JJUGに参加しよう
日本Javaユーザーグループ(JJUG)の鈴木雄介氏は、毎月水曜日にOracle青山センターで開催するナイトセミナー、例年春と秋に開催するJJUG CCC(Cross Community Conference)などの活動を紹介。コミュニティに参加すると、現場のエンジニアがJavaで苦労していることや工夫していることなどのノウハウを直接知ることができるとそのメリットを話し、参加を呼びかけた。JJUGへは会員登録ページからメーリングリストに登録することで参加できる。
Javaを使ってドローンをセキュアに活用する
株式会社アットマークテクノ 代表取締役の實吉智裕氏は、セキュアIoTゲートウェイを搭載したドローンが小型センサーから情報を取得してOracle IoT Cloud Serviceにアップするというデモを行った。
ドローンはさまざまな分野での活用が期待されている。しかし、操縦の乗っ取りや盗難への対策が必要だ。同社が開発したセキュアIoTゲートウェイはSAM(Secure Access Module)に保存されている暗号化鍵などの重要情報をもとに、通信の暗号化、ドローン機器・操縦者の認証を行い、データを保護し、なりすましを防止することで、ドローンの安全運用を実現する。なお、セキュアIoTゲートウェイにはJava SE 8が使われている。
JavaをベースにPepperを活用する
最後に、日本オラクル株式会社 Fusion Middleware事業統括本部の伊藤敬氏が登場し、PepperとOracle Cloud Platformを使ったデモを行った。Oracle Cloud PlatformではStorage Cloud Services、Java Cloud Services、Application Container Cloud Servicesを使用。Pepperのカメラで撮った写真をクラウドにアップし、タブレットから参照できるようにする。逆に、タブレットからクラウドにアップした写真をPepperに感知させる。タブレットで画像を管理するアプリはJavaScriptで構築されており、データのやりとりはRESTで行う。
このデモは、JavaをベースとしてPepperとエンタープライズシステムを連携できることを示している。伊藤氏は、Pepperと既存のJavaシステム、あるいは新しいクラウド上のシステム、そしてJava以外の技術をつなぐことで、新しいビジネスの可能性が広がると、締めくくった。
タブレットで撮った写真がクラウドにアップされると、Pepperが感知する
