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Googleアナリティクスで計測するスマホアプリ

Googleアナリティクスを導入してスマホアプリを改善しよう

Googleアナリティクスで計測するスマホアプリ 第1回

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 ウェブサイト上の行動計測の重要性は今日では広く認識されてきていますが、スマートフォンアプリ(以下、スマホアプリ)の行動計測については、まだまだ浸透していないように感じます。Googleアナリティクスはウェブサイトの計測プラットフォームとして広く認識されていますが、実はスマホアプリのユーザ操作を計測することも可能です。本連載では、スマホアプリを計測することの重要性を説明しつつ、Googleアナリティクスをスマホアプリに導入することでどういったことができるようになるのか、ということをご紹介していきます。この連載を読まれた皆様が担当されるスマホアプリが、より良いものになるきっかけとなれば幸いです。

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想定読者

  • 企業の情シス・スマホアプリの担当者(除くEC企業)
  • スマホアプリの開発者でアプリの計測を行ってみたいと思っている方

スマホアプリを計測するメリット

 ウェブサイト上のユーザ行動を計測と同様に、スマホアプリ上のユーザ行動を計測することは、スマホアプリの改善の方向性を検討する上で非常に重要です。ここでは、Googleアナリティクスに限らず、スマホアプリに計測ツールを導入するメリットについてご紹介します。

(1)スマホアプリ内の操作を把握できるほぼ唯一の手段である

 スマホアプリに計測ツールを導入する意義は、ウェブサイト以上に大きなものがあります。

 ウェブサイトでは、画面内で何かしらの操作を行うと、ほぼ必ずサーバサイドへのリクエストが発生します。リクエストを受けたサーバ側では、リクエスト内容をログとして残すことができるため、計測ツールを入れなかったとしても、ある程度はユーザ行動を推察することが可能です。

 一方、スマホアプリは、ユーザ側の端末にアプリをダウンロードして使用するので、ユーザ操作に対する処理はアプリ内で完結します。そのため、スマホアプリの場合、計測ツールを導入していないと、ユーザがどういう操作をしているかという情報は、ほぼ取得することができません。

 APIから情報を取得する処理などを使用していればサーバーサイドへのリクエストが発生することもありますが、これだけでは断片的であり、アプリの改善点を検討する際の参考となるような、意味のあるデータとしては不十分でしょう。

(2)ユーザレビューに対する裏付けができる

 スマホのアプリストアでは、各アプリのダウンロードページにユーザがレビューを書くことができます。レビューの内容については、アプリに対する好意的な評価だけでなく、ここを直してほしい、こういう機能が欲しい、というような改善を求める内容が書かれることもあります。これらの情報はアプリに対するユーザの声を知ることができる貴重な情報となります。

 しかし、レビューの声をそのままアプリに反映させることは、必ずしもアプリの本質的な改善につながらないこともあります。レビューは、ユーザテストのインタビュー調査のように、1ユーザの思いが記載されている内容なので、書かれている要望が実際に多くのユーザにメリットのある機能かどうかという判断は、それを裏付けるような定量的な情報がないと難しいでしょう。

 計測ツールで取得したデータとユーザレビューの内容を併せて見ることは、レビュー記載内容への対応が本当に多くのユーザのためになるのか、ということを客観的に判断するための材料となるでしょう。

(3)ダウンロードに貢献したネット広告を把握できる

 スマホアプリを提供している企業にとって、アプリのダウンロード数は重要な一つの指標です。ダウンロード数を増やすため、アプリ提供企業はテレビCMを打ったり、メルマガを使用したり、というようにさまざまな手段でユーザに対してプロモーションを行います。一方で、プロモーションには安くない費用がかかります。企業側としては、プロモーション費用の最適化のために、それぞれのプロモーションがどの程度ダウンロード数の増加に貢献したのか、ということが知りたいのではないのでしょうか。

 計測ツールを導入すれば、バナー広告や他サイトからのリンク経由でのアプリのダウンロードが計測可能なため、ネット上のプロモーション効果を可視化することができます。

(4)クラッシュへの対応を効率よく行える

 ユーザにとってアプリへの心証を一番悪くするものはクラッシュの発生です。致命的なクラッシュは、放置し続ければユーザがアプリから離れていってしまう大きな原因の一つとなります。そのため、アプリのクラッシュを把握した場合は、迅速に対応をする必要があります。

 しかし、クラッシュはユーザの端末の中で完結して発生するため、検知するような仕組みを導入していない場合、アプリ提供企業はクラッシュが起きていることすら把握できません。また、レビュー等でクラッシュの発生を知ることができたとしても、どこでどのようなエラーが起きてクラッシュが発生しているかという情報がないため、原因箇所の特定に時間がかかり、対応が後手に回ってしまいます。

 計測ツールを導入することで、クラッシュの検知はもちろんのこと、発生エラーや発生箇所、発生回数の検知ができるため、アプリクラッシュの原因調査や対応策の検討を素早く効率的に行うことができます。

 いかがでしたでしょうか。計測ツールを導入することで、上記のような、アプリを改善していく上で重要な情報を得ることができます。

 スマホアプリは、アプリに対するユーザからの評価が数値としてダウンロードページに表示されます。高い評価はユーザがアプリをダウンロードする後押しをします。逆に低い評価の場合はダウンロードをためらわせてしまう可能性があるため、原因となっているポイントについて迅速に対応を検討しなければなりません。

 刻一刻と変わる評価を高い状態に保つためには、スピード感を持った対応が必要となります。改修内容を決定する判断基準や、アプリで起こっている事象を把握する上で、計測ツールで取得できる情報はとても有益なものとなるでしょう。

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この記事の著者

喜早 彬(NRIネットコム株式会社)(キソウ アキラ)

NRIネットコム株式会社所属。企業内業務用アプリ、コンシューマー向けアプリの担当経験を元に、モバイルアプリケーションの提案、設計、運用を行っています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/9576 2016/10/03 14:00

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