はじめに
Ruby on Railsは、オープンソースのRuby製Webアプリケーションフレームワーク(以降、フレームワーク)です。MVCアーキテクチャを採用し、
- 「同じことを繰り返さない」(DRY)
- 「設定より規約」(CoC)
との基本理念で設計されています。その設計思想は、その他の言語で記述されたフレームワークにも大きな影響を与えています。
Rails 5は、Rails 4までの基本的な設計思想を受け継ぎつつ、Ruby 2.2.2以上での動作を前提とするため、内部的には大きく書き換えられています。また、WebSocketによる双方向通信を可能とするAction Cableや、より軽量に動作するAPIモードなど目玉となる新機能が追加されています。
本連載では、これらRails 5の新機能や追加機能を、サンプルアプリケーションを実装しながら紹介していきます。初回となる今回は、最初にRails 5の新機能や追加機能の概要を説明した後、Rails 5の前提となる開発環境を構築します。
対象読者
- Rails以外のwebフレームワークの経験があり、Railsを初めて触る方
- 最新のRailsで具体的にどんなことが実現できるのか知りたい方
- 過去バージョンのRailsを触った経験があり、Rails 5でどう変わったか知りたい方
本連載で前提とする環境
- MacBook Pro(OS X Yosemite)
- Ruby 2.3.1
- PostgreSQL 9.5.4
- Redis(オンメモリKVS)
基本的には、初回の本稿で後述する環境構築部分以外の実装はOSによらず共通するはずですので、Windowsの方は環境構築をWindows上で頑張って行うか、Dockerについての知見がある方であればこちらの記事あたりを参照し、環境構築を行ってください。
オンメモリKVSであるRedisはAction Cableによる双方向通信を実現するために必要となります。