
「貂明朝」は、躍動感のある手書き文字の特徴を備えるとともに、江戸時代の瓦版印刷に見られる運筆の特徴も取り入れている。伝統的な明朝体の画線の先端を丸め、やや太めに仕上げつつ、ふところは小さめで、広告コピー、書籍・出版物のタイトルなど、幅広い用途で使える。
「貂明朝」には、同社のType部門のプリンシパルデザイナーであるロバート・スリムバック氏による、手書きのカリグラフィがもつすばやい筆致と、イタリアルネサンスの古典的人文主義様式の本文用活字書体の実用性を兼ね備えた、欧文グリフ「Ten Oldstyle」を含んでいる。「Ten Oldstyle」は、OpenTypeフィーチャーを含み、スモールキャップスと罫表組み用数字、オールドスタイル数字などに対応するほか、イタリック体も備える。

このほか、SVGグリフの中には、貂(てん)の姿をしたグリフも隠されている。
さらに、Typekitの新機能として、看板やポスターの写真、平面のアートワークなど文字列を含む画像をアップロードすると、利用できるフォントの中から類似するフォントをすべてリストアップする「ビジュアルサーチ」が追加された。
「ビジュアルサーチ」は、Adobe Senseiの機械学習が用いられており、現時点ではアルファベットの大文字、小文字のみに対応している。