対象読者
- JavaScriptとWeb開発の基礎に理解がある方
- Reactに興味/関心があり、これから学び始める方
前提環境
筆者の検証環境は以下の通りです。
- macOS Sierra 10.12
- Node.js v8.6.0/npm 5.5.1
- React 16.1.1
フォームとリストで掲示板アプリを作る
GUIを実装する上で、ユーザーからのインプットを受け取る方法と、ユーザーにアウトプットを見せる方法を覚えるのはとても大切なことです。今回は、HTMLの古き良きインプット方法であるform要素から入力を受け付けて、リスト形式でデータを表示する掲示板アプリを題材にして、ReactというUIライブラリがどのように活躍するのかを見ていきましょう。最終的に、図1の見た目をしたアプリケーションができ上がります。
コンポーネントの設計を考える
今回の掲示板アプリではコンポーネントを図2のように切り分けることで、各コンポーネントへの記述が簡潔になるようにします。
データの流れを図示すると、図3のようになります。
入力と投稿に関する処理と描画は「Form」コンポーネントに任せます。また、投稿されたデータをリストで表示する処理は、「List」コンポーネントに任せることにしました。見慣れた「App」コンポーネントは、一番外側でFormとListを表示する役割を担いつつ、Formから投稿されたデータの管理と、Listへ投稿データを渡す役割を担います。それでは、各コンポーネントの実装を見ていきましょう。
Appコンポーネントを作る
Appコンポーネントは掲示板アプリのデータの流れを作っています。アプリとしての全体像を把握するためにも、まずはAppコンポーネントの実装を見てみましょう。
import React, { Component } from 'react'; import Form from './Form'; import List from './List'; class App extends Component { state = { posts: [] } /** Formが作成した投稿を保存する処理 */ saveNewPost(newPost) { // (2) // 投稿にidを付与する const newPostWithId = { ...newPost, id: Date.now() } // state内の投稿リストに加える this.setState({ posts: [...this.state.posts, newPostWithId] // (4) }); } render() { return ( <div className="App"> <Form onSubmitNewPost={ (newPost) => this.saveNewPost(newPost) // (1) } /> <hr /> <List posts={this.state.posts} /> {/* (3) */} </div> ); } } export default App;
Appコンポーネントが管理するデータの流れを見ていきます。Formコンポーネントは投稿ボタンを押すと、onSubmitNewPostに渡したコールバックに新しい投稿データを渡してきます。今回は、Appコンポーネントのメンバ関数であるsaveNewPostにそのまま渡すことにしました(1)。saveNewPostでは、適当なIDを付与した後に、Appコンポーネントのstateに投稿データを保存しています(2)。すると、setStateによるpostsの変更に反応して、Listコンポーネントが更新されます(3)。
(4)はES6のスプレッド演算子を使っています。次のように、配列をマージして新しい配列を生み出してくれる便利な構文なので、積極的に使っていきましょう。
const array1 = ['a', 'b', 'c']; const array2 = [...array1, 'd']; console.log(array2); // ['a', 'b', 'c', 'd']
次は、個別のコンポーネントを見ていきましょう。