機械学習を支えている大学数学のうちの一つに線形代数学があります。ベクトルと行列を扱うこの領域の知識をもう一度学び直したいという方のために、翔泳社では『技術者のための線形代数学』を8月28日に発売しました。『技術者のための基礎解析学』の姉妹編となる本書、今回も中井悦司さんが丁寧に基礎を教えてくれます。
『技術者のための線形代数学 機械学習に必要な数学を本気で学ぶ』は、ベクトルや行列を扱う線形代数学を基礎から解説した入門書。ただの入門書というよりは、大学で一度学んで、今機械学習など高度な技術を支える数学を学び直したい方が再入門するための1冊です。
『技術者のための基礎解析学』の続編となる本書では、再び中井悦司さんによる丁寧な説明で線形代数学の基礎を学ぶことができます。実数ベクトルに限定して一次変換や行列式などを扱い、後半ではベクトル空間の公理に基づいた、より一般的なベクトル空間について解説します。
前提として高校理系の数学知識が必要となりますが、線形代数学を大学で学んだ覚えがある方なら問題ありません。本シリーズは機械学習を深く理解するためだけでなく、数学自体をきちんと学び直したいという技術者の声を受けて書かれたもの。本書では定義に基づいた厳密な議論を展開していくので、「なんとなくわかった」ではなく「しっかり理解できた」という読後感を味わっていただけるでしょう。
また、本書のあとには『技術者のための確率統計学』の発売を予定しています。基礎解析学、線形代数学、確率統計学という機械学習に必要な大学数学の3分野を学び直したい方に、本シリーズをお勧めします。
目次
Chapter 1 2次元実数ベクトル空間
1.1 ベクトル空間の定義
1.2 ベクトルの一次変換
1.3 行列の計算
1.4 行列計算の応用
1.5 主要な定理のまとめ
1.6 演習問題
Chapter 2 一般次元の実数ベクトル空間
2.1 実数ベクトルのn次元への拡張
2.2 行列と一次変換の性質
2.3 連立一次方程式の解法
2.4 主要な定理のまとめ
2.5 演習問題
Chapter 3 行列式
3.1 行列式の定義と基本的な性質
3.2 行列式の特徴
3.3 行列式の計算手法
3.4 主要な定理のまとめ
3.5 演習問題
Chapter 4 行列の固有値と対角化
4.1 固有値問題とその解法
4.2 対称行列の性質と2次曲面への応用
4.3 主要な定理のまとめ
4.4 演習問題
Chapter 5 一般のベクトル空間
5.1 ベクトル空間の公理
5.2 ベクトル空間の一次変換
5.3 主要な定理のまとめ
5.4 演習問題
Appendix A 演習問題の解答
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渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)
翔泳社マーケティング課。MarkeZine、CodeZine、EnterpriseZine、Biz/Zine、ほかにて翔泳社の本の紹介記事や著者インタビュー、たまにそれ以外も執筆しています。
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