テクノロジーの変化が激しいなかで一貫したポータビリティを
――海外におけるマルチクラウドの状況を教えてください。
海外ではDevOpsもマルチクラウドも当然のものとして浸透しています。そのためのツールやアプリケーションを長年使っている人もいれば、使い始めたばかりの人もいます。日本もそう大差ないと思います。
――日本では8月にAWSの東京リージョンでの障害があったこともあり、マルチクラウドへの関心が高まり、さまざまな議論がありました。マルチクラウドの利点を挙げるとしたら?
マルチクラウドの定義や考え方はいろいろあるかと思いますが、大事になるのがポータビリティです。AWSでもAzureでも、同じアプリケーションを動かせること、また同じワークフローを使えることが大切です。あるいは同じ環境で異なるアプリケーションを使うことも考えられます。私たちがやろうとしているのはワークフローのポータビリティです。
アメリカでは買収による企業合併がたまに起こります。企業ごとに使うテクノロジーが異なるなか、合併するとテクノロジーをどうするかという課題が生まれます。
――買収が起きて、組織が異なるクラウドを使っていても、HashiCorpを使っていれば同じような使い方で利用できるということでしょうか。
その通りです。

――開発者がHashiCorpのサービスを使いこなせるようになるとどんなメリットがあるでしょうか。
ポータビリティと一貫性です。テクノロジーが進化しても、そのまま使えます。例えばVagrantは長らく存在しています。登場した時はまだコンテナがない時代でした。登場当時にVagrantを学んだ人は今でも使い続けることができて、新しいことを学ぶ必要がありません。
――9月に開催されたHashiConf 2019のハイライトを教えてください。
2つ挙げます。1つはTerraform Cloudです。これはTerraformをチームで使えるようになるWebサービスです。有料のサービスですが、あまり高価格ではありません。面白い機能に「Cost Estimation」があります。クラウドサービスは従量制なので、使えば使うほど利用料金が膨れ上がります。この機能はクラウドの設定を変えると使用料がどれだけ変わるか見積もることができます。
もう1つは「HashiCorp Consul Service (HCS) on Azure」、Azure上で動くConsul(サービスディスカバリやサービスメッシュを実現するためのツール)です。これまでサービスメッシュを使いたければ自分で走らせる必要がありましたが、今回の発表で、Azure上で動いているものを利用することができます。
――今後のHashiCorpの展望と日本の開発者にメッセージをお願いします。
HashiCorpは早い速度で成長しています。オープンソースもうまくいっていますし、ビジネスも成長しています。日本でも成長していく確信があります。私たちは日本市場にコミットしていることをお伝えしたいです。ローカリゼーションを進め、ビジネスも進めていきます。期待してください。
