「PMの五感力」は「質問力」の形をとって現れる
実際のビジネスの現場では、プロダクトマネージャーは五感を研ぎ澄ませ、空気も含めてクライアントの本音を確認し、さらにいくつか質問を投げかけます。
回答内容とその理由の整合性も確認して、素直に「この製品は要らない(もしくは要る)」と言っているのか。本音は他にあるのか。目の前のクライアントが本当にペインを持っているのかを見極めます。
私の経験で恐縮ですが、この「プロダクトマネージャーの五感力、質問力」は現場に出ることでしか磨かれないと思っています。お客さまの本音は、現場にしかありません。
現場に出向くこととは異なる形のヒアリングもあります。例えばお客さまから「要望」というまとまった形でいただくデータや資料です。でも、まとまってしまっている時点で、本音やペインからは形が変わっているのではないでしょうか。
そうなると、形の変わってしまった「要望」を、ヒアリング時の雰囲気やニーズの元になる「違和感」に分解する作業が発生してしまいます。時間の大きなロスです。
私は、ここで違和感を抱いた経験から「もっと現場に出て、顧客の本音を頭と五感で確認しなければならない」と考えるようになりました。プロダクトマネージャーはまとまった要望やデータを見るだけでなく、五感を使った質問力が必要なのです。
五感力は「プロダクト開発を無駄にしないため」を考え尽くした結果
今日お伝えしたことは、プロダクトマネージャーとしてもメジャーな考え方ではないかもしれません。もしかすると弊社がtoBサービスであるがゆえの結論ではないかとも思います。お客さまに直接会いづらく、数字とお客さまからの意見と傾向から本音を嗅ぎ分けるtoCサービスのプロダクトマネージャーの方は、違う見解をお持ちでしょう(ぜひ教えてください……!)。
それでも私が「プロダクトマネージャーには五感力が必要である」と考える背景には、ひとつの思いがあります。それは「仲間が作ったものが使われない状況を絶対になくしたい」です。今でもその思いは日々大きくなっています。
私にとってプロダクトマネージャーの「五感力」を磨くことは「市場に受け入れられるためには。顧客に使っていただくためにできることはないのか」と藁をもつかむ気持ちに近いかもしれませんね。
周知のことですが、新規事業や新製品の評価は1年程度で決まってしまいます。シードラウンドのスタートアップでさえ同じです。こういったビジネス環境の中で、開発メンバーが時間も技術も心も投入して作ったものが、まったく受け入れられない状況を見てきました。私はそんな仲間の努力が報われない状況をなくしたいのです。
だからプロダクトマネージャーとして、プロダクトの品質・API・提供物・価格・横展開可能な顧客数といった、頭で考えられるものだけでは足りないという結論に達しました。「五感を通じて顧客の本音を知り、その場の空気も材料にしながら、さらに質問を重ねて確認する」なんていう一見するとあいまいな力を、本日はお伝えさせていただきました。
プロダクトマネージャーは五感でも何でも使って、仲間が開発した製品を絶対に世の中に浸透させる。そんな思いを持って今日も奮闘されているプロダクトマネージャーの方に、一部でも参考になる内容があれば幸いです。
