ステップ1:仮説構築/ジャーニーマップの作成
まずは、誰がどのようなシーンで使うのか、仮説を立てていきます。メインターゲットである「小学校1年生の親」が、子どもが登下校する際やひとり行動をする中でどのような課題をもっているのか、どういった情報が欲しいのかを考えていきます。毎日利用してもらうことを想定しているので、小学生の生活パターンや持ち歩くものなども考慮して検討しました。
課題をだすために活用したフレームワークは「カスタマージャーニーマップ」です。ジャーニーマップは、ターゲット顧客が目的を達成するまでの行動フローを時系列に書き起こしたもの。ユーザーがプロダクトを認知して継続利用していくなかで、体験が成立しているか、検討漏れがないかなどを見つける際に役立ちます。ユーザーインタビュー後に事実をもとに書かれることも多いと思いますが、私は仮説を立てるときにも用いています。
みてねみまもりGPSの場合は、親の目線だけではなく、持ち歩く子どもの目線も重要なので、両者の目線にたって、認知から継続利用までのフローを記載。ユーザーインタビューでとくに知りたいポイントを洗い出していきました。
ステップ2:課題抽出/ユーザーインタビュー
次に、ユーザーインタビューを行い、実際のターゲットユーザーにヒアリングを実施。競合サービスの利用者・未利用者などに分類しました。
短い期間かつ、被験者の数は5人と正直あまり多くはありません(本来は、各ターゲットに対して複数人聞きたいところです)。ただ、対象者の選定のバランスに気をつけることによって、ある程度広く課題を見つけることができました。
たとえば、みまもりサービスの競合である子ども用携帯の利用者にインタビューを行ったところ、位置情報の取得で困っていることや、子どもから「もっとかわいい色が欲しい」という要望があったことなどを聞くことができました。
インタビューのあとはチームでまとめを行い、ターゲットごとの課題を共有します。まとめる際には、ユーザーの発言の重点がわかりやすいという理由から「共感マップ」というフレームワークを利用しました。
ステップ3:課題整理とフォーカス/インセプションデッキの作成
ユーザーインタビューのまとめをもとにさらに課題整理を行い、もっとも解決すべき課題や訴求ポイントなどを検討していきました。
今回利用したのは、「インセプションデッキ」というフレームワーク。インセプションデッキは書籍『アジャイルサムライ』で紹介されているもので、プロジェクトの目的やターゲット、競合との差別化などの全体像を整理することができます。
想定できる企画の方向性は複数案あったのですが、ユーザーニーズやビジネスニーズにもっとも沿った原案が採用されました。
ステップ4:サービス設計
課題やターゲットが明確になると、ようやく筐体やアプリのデザインを開始します。
筐体は外部のプロダクトデザイナーの方にお願いしました。ユーザーインタビューにも参加してもらい、ユーザーの課題を理解してもらったうえでデザインに落とし込んでもらいました。
アプリでは、いままで整理した課題を参考に、軸となる「購入」→「ログイン」→「機能を学習」→「継続利用」のフローからプロトタイプを作成。今回のプロダクトは、アカウント作成や筐体との接続といったユーザーのタスクが多いので、説明書がなくともスムーズに完了するように検証を繰り返しました。
フローを整理したあとにデザインシステムを作成し、アプリ全体のUIを設計していきました。