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ソフトの進化とコロナ禍によってなにが変わったのか 実写VR制作現場のリアルをコンセント・渡邊課に聞く

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Premiereで編集が可能に もっとも変わったのは確認作業

――前回のインタビューから2年弱が経ちましたが、渡邊課の体制に変化はありましたか?

現在渡邊課は、僕がクリエイティブディレクターをつとめ、プロダクションマネージャーが1名、編集、ウェブ、UI、SNS施策などに強みのあるデザイナーやディレクターなど、社員は5名に増えました。コンセントで行っているウェブや紙のデザインと連携しながら、360度動画やそれ以外の動画の撮影、編集、ディレクションなども行っています。

機材について、以前まではQuadroの業務用マシン1台で問題がなかったのですが、メンバーが増えたことでより強力なグラボ(グラフィックボード)を積んだマシンを追加しました。最近はVR動画の解像度も4Kから8Kへと移ってきましたし、レンダリングをスムーズに行うためには、膨大なCPUとグラボを詰んだマシンが必要だったんです。

――実写VRの編集作業はどのように行っているのでしょうか。以前と変わった点についても教えてください。

実写VRというと「専用のソフトが必要なのではないか」、「編集が難しそう」といったイメージを持たれる方も多いかもしれません。ですが、一般的な映像編集でも多く使われている「Adobe Premiere Pro」(以下、Premiere)は最初からVR用のエフェクトも入っており、基本的な編集はとくにプラグインなどを追加せずに使うことができます。

また、Premiere では、「イマーシブ環境をオンにする」という設定によって実際にOculus Quest 2でリアルタイムにVR動画を見ながら編集をすることが可能です。僕が使用しているOculus Quest 2はスタンドアローンタイプのHMDでもあるのですが、Type-Cケーブル経由でPCに接続すると、上位モデルのOculus Riftのように、PCで再生したコンテンツをOculus Quest 2側で視聴できるOculus Link機能に対応します。

イマーシブ環境の機能によって制作環境が大きく変わったのは、この機能を利用することで、効率よく360度映像をチェックすることができる点です。

VRプラットフォーム「SteamVR」上で、Premiereを動かします。編集中の動画コンテンツを都度書き出しをすることなく、“編集しながら”パノラマ上のアングルを確認できます。Oculusではシークバーを移動させて確認したり、タイムラインにマーカーをつけることができます。

実は実写VRの制作において、制作よりも時間がかかるといっても過言ではないのが、この確認作業です。この方法ができる前は、360度映像を開いた状態の絵、エクイレクタングラー(地図の図法)の歪んだ映像を見て編集をしなければいけなかったり、編集した箇所を確認するには、毎回書き出しをする必要がありました。そのあとは、PCでもカーソルで視点を変えることができるVR用の表示が可能になったのですが、それでも動画を確認するだけで半日以上かかることも。

Premiereでイマーシブ環境の設定ができるようになったことで、確認にかかる時間は格段に減りました。今後実写VRにチャレンジしたいと考えている人の敷居も、かなり低くなったのではないでしょうか。

ただし、グラフィックボードの要求スペックが非常に高いので、その点には注意が必要です。僕たちのチームでは、マウスコンピューターのクリエイター向けパソコンブランド「DAIV」のX10シリーズを利用しています。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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https://codezine.jp/article/detail/15003 2021/10/11 08:00

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