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2021年が元年 クリエイティブテックの現状や企業が活用するポイントを、リチカCEOの松尾さんが解説

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クリエイティブテックにおけるふたつの注目サービスとは

――クリエイティブテックの領域におけるトレンドや、注目しているサービスなどについて教えてください。

昨年までは無風だった気がしているのですが(笑)、2021年になってクリエイティブテックの話題も増え始めたように思います。あえて言うなら、2021年が元年なのではないでしょうか。少しずつ広まり始めている理由は、企業さんが消費者に情報が届かなくなってきたと感じているからなのではないかと考えています。

その理由はいくつかあると思うのですが、ひとつは多くのデバイスが登場したことで、ユーザーの行動が多様化したことです。触れるアプリも違えば、アプリの中で楽しむコンテンツも違う。テレビを楽しむ人もいれば、TikTokが好きな人もいる。そうやってユーザーさんが情報を選ぶことができるようになってきましたし、YoutuberさんやTikTokerさんのように、コンテンツを提供する人たちの生態系も多岐にわたっていますよね。

シンプルにいえば、今インターネット上におもしろいものがとても増えている中で、何千万と予算をかけてひとつの広告をつくる方法は通用しなくなりつつある。それを企業さんが肌で感じ始めたのが、2021年だったのではないでしょうか。

もうひとつは、クリエイティブにおける再現性の問題も大きいのではないでしょうか。結局僕らが提供している運用型クリエイティブクラウド「リチカ クラウドスタジオ」も、言ってしまえば誰でも思いつくものだと感じていて。10年ほどリリースなどをさかのぼってみると、大手の企業さんが何回か開発を進めようとしていたように思います。ですが、実際にプロの作ったクリエイティブを再現できなかったという点が、大きなボトルネックになったのではないかと想像しています。ですがテクノロジーの進化によって、それらを再現する技術が追いついてきたというのは、大きな変化だと感じています。

注目しているサービスは、オーストラリア発のデザインプラットフォーム「Canva(キャンバ)」さんですね。デザイン領域にもさまざまなツールがありますが、それらを使ったとしても上手く作れないといったクリエイティブの壁のようなものがあったと思うんです。その壁が、クリエイティブが民主化しないひとつの理由だったと感じているのですが、おそらくテンプレートを用いることでデザインの敷居を下げ、誰でもできるようにしている点がすごい。あれほどど真ん中からデザインの民主化をしていることが、本当に素晴らしいと思います。

国内では、最新のAI音声合成サービス「CoeFont」さんです。CoeFontさんでは、たとえば僕が話している声を機械学習で習得させると声のフォントを作ることができ、テキストを打てば僕の声で再生することができるというものです。これができればたとえばイベント登壇などでも、テキストだけ作ればよいかもしれないですよね。しかも開発している会社は学生ベンチャー。これにもとてもワクワクしています。

おそらくクリエイティブテックは、今までは人がフィジカルで何か行動しなければいけなかった部分を、いかにフィジカルを介さずに再現できるか、あるいはスケールできるかという点に価値があると思っています。その点では、声やナレーターさんのお仕事は、CoeFontさんで劇的に変わる可能性を秘めているのではないでしょうか。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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https://codezine.jp/article/detail/15400 2021/12/27 08:00

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