本文書のライセンスについて
本記事は、InnerSourceCommons.orgが提供するInnerSource Learning Pathを元に再編集したもので、CC BY-SA 4.0(表示 - 継承 4.0 国際)ライセンスに従い提供されています。
トラステッドコミッターとプロダクトオーナー
これまでの連載で、コントリビューションを受け入れるチームを「ホストチーム」、コントリビューションするチームを「ゲストチーム」と表現し、これらの言葉は、お客(ゲスト)を家に招く人(ホスト)からきたものだと述べました。
コントリビューターは、ホストの家を訪問するゲストの役割で、インナーソースではコミュニティにコントリビューションする人を指します。コントリビューションには、バグレポート、機能追加リクエスト、ドキュメントなど、コードに限定されるものではなく、さまざまなものがあります。すべてのコントリビューションで、コントリビューターにはホストの家のルールに従うこと、つまりコミュニティの決めごとを守ることが求められます。
これに対して、トラステッドコミッターとプロダクトオーナーは、両方ともホストの役割になります。
トラステッドコミッターは、ホストの家の一員で、ゲストが快適に過ごせるように家の内装を整えたり、ルールを決めたりして、直接ゲストをサポートする人達です。つまり、トラステッドコミッターは、コントリビューターからのリクエストに対応するために、技術だけではなく、コミュニティに対しても責任を持つ役割ということになります。
プロダクトオーナーは、家主のような存在です。プロダクトオーナーは、管理するプロジェクトの方針について責任を持つと同時に、アジャイルプロセスと同様に、実装する要件の優先順位付けにも責任を持ちます。また、要求された機能やコントリビューションの内容が、製品に本当に必要なものか判断するにあたり、トラステッドコミッターと連携して活動します。
なお、小規模なインナーソースコミュニティでは、トラステッドコミッターとプロダクトオーナー、両方の役割を一人で受け持つこともあります。