論理データセンターデザイナ
論理データセンターデザイナを利用すると、これからアプリケーションを稼働させる予定のサーバーやネットワークの論理的な構成をデザインできます。VSTAが物理的な構成ではなく、論理的な構成をデザインするのは、アプリケーションを配置する上で物理的なサーバの種類やネットワーク機器の製品名などは重要ではなく、アプリケーションサーバーというものがあり、そこでIIS(Internet Information Services)が稼働していることや、バックエンドのデータベースサーバーとネットワークで接続されていることが重要だという思想があるからです。また、一般にASP.NET Webアプリケーションをホストするアプリケーションサーバーはスケールアウトによる負荷分散などにより物理的には複数台のサーバーが配置されることがありますが、論理データセンターデザイナでは1つのアプリケーションサーバーとしてデザインします。これは、物理的に複数台のアプリケーションサーバーが存在していたとしてもスケールアウトの場合は各サーバーに同じアプリケーションが配置されるため、論理的にはそれを1台とみなしているからです。逆に一つの物理的なサーバーがIISをホストし、かつSQL Serverを実行する場合、論理サーバーとしてこれを2台に分離して表現します。
では、実際に簡単な例を見てみましょう。図7は、論理データセンターデザイナを利用して、ネットワークとアプリケーションサーバーなどを定義しているものです。
この図では、Internetという名前のネットワークゾーンを定義し、AppllicationServerという名前のIISをホストするWebサーバー、Clientsという名前のWindowsアプリケーションをホストする端末を定義しています。また、ClientsからApplicationServerへの接続やInternetゾーンの境界からApplicationServerへの接続など、通信リクエストが単一方向に流れることを矢印によって示しています。VSTAの論理データセンターデザイナでの作業はこのようにネットワークのZoneとその内部に配置する論理サーバー、およびそれらの通信経路の接続を定義することによって行います。Zone内には他にもDatabaseServerなどを配置可能です。論理データセンターデザイナを使用して、図6で示したようなアプリケーションシステムを配置するためのダイアグラム図を作成すると図8のようになります。
論理データセンターデザイナでは、図8のような論理サーバーと論理ネットワークの構成図を描くだけではなく、それぞれの論理サーバーや論理ネットワーク、エンドポイントに対しての条件を「設定および制約」として定義できます。例えばIISをホストするあるIISWebServerは、Forms認証のみをサポートするという条件を設定できます。図9は例として、ApplicationServerという名前のIISWebServerがForms認証のみをサポートし、偽装(Impersonate)が必要で、認証パスワードはSHA1で保存される必要があるという条件を設定しています。
このように論理サーバーなどに設定および制約を定義することは、アプリケーションデザイナでアプリケーションに対して設定および制約を定義したことと非常に酷似しています。これはアプリケーションに必要な条件と論理サーバーなどに必要な条件を両方共に定義することでそれらを合わせて本当に配置が可能な設定となっているかを確認できるようにするためです。この配置の確認という作業を行うためには配置デザイナを利用します。



