C# 11の最新プレビューでは、生文字列リテラルが使えるようになり、特定の文字を含むリテラルの操作が従来よりもかなり容易になった。また、UTF-8のみを含む文字列リテラルをバイト表現に変換できるようになり、UTF-8を16進数に変換する必要がなくなっている。
さらに、特定の演算子をチェック済みとして識別するchecked修飾子が追加され、ユーザー定義の演算子においてコンテキストの尊重が可能になったほか、コンパイラが構造体における、明確な割当ルールに基づいて設定されていないフィールドと自動プロパティを初期化し、デフォルトの値を割り当てるようになり、明示的なコンストラクタを含む構造体の初期化が容易になった。
ほかにも、Span<char>またはReadonlySpan<char>と文字列リテラルでパターンマッチングできるようになり、Span<char>またはReadonlySpan<char>を文字列リテラルのマッチングを識別するためのswitch文またはswitch式に使えるようになるとともに、メソッドグループの変換にキャッシュされたデリゲートを使用したランタイムのパフォーマンス向上、パラメータnullチェックの削除などが行われている。
なおC# 11では、新たに導入するキーワードが型名と競合するのを防ぐために、すべて小文字のASCII文字による型宣言に対して警告を発するようになった。Microsoftでは、警告が表示された場合は型名を変更するか、型名の前に「@」を付けることで回避するよう推奨している。