クラウドエースは、生成AIを業務に活用(一部を含む)しており、AIと業務システムを連携させて利用中、または利用検討中の企業に所属する、情報システム部門・DX推進部門・AI活用推進部門の担当者を対象に実施した、MCP(Model Context Protocol)に関する意識調査の結果を8月5日に発表した。同調査は、7月28日〜29日の期間に行われ、110名から有効回答を得ている。
調査対象者に、AIが人間に代わって社内の業務システム(データベース、業務アプリケーション、ファイルサーバなど)にアクセスして情報取得や作業を行うことに、課題や不安を感じるかを尋ねたところ、「非常に感じる」が37.3%、「やや感じる」が51.8%だった。

AIが人間に代わって社内の業務システムにアクセスして情報取得や作業を行うことに、課題や不安を「非常に感じる」または「やや感じる」と答えた人に、その理由を尋ねた質問(複数回答)では、「セキュリティやガバナンスに不安があるから」(60.2%)がもっとも多く、以下「AIツールやシステムの提供企業ごとの独自仕様によるロックインが発生するから」(51.0%)、「各ツールやシステムごとの仕様が異なり統合が難しいから」(37.8%)が続いている。

「MCP(Model Context Protocol)」という言葉を聞いたことがあるかを尋ねたところ、「内容をよく知っており、重要性も理解している」が46.4%、「聞いたことがある程度」が47.3%となった。

MCPについて、「内容をよく知っており、重要性も理解している」または「聞いたことがある程度」と答えた人に、どこでMCPを知ったかを尋ねた質問(複数回答)では、「ITベンダの発表・セミナーから」(51.5%)が最多となり、以下「SNS(X、LinkedInなど)から」(47.6%)、「技術系ニュースサイトやブログから」(42.7%)が続いている。

AIや外部ツールを業務で安全かつ効率的に連携させるために、MCPのような標準規格(AI連携の共通ルール)が必要だと感じるかを尋ねたところ、「非常に強く感じる」が36.4%、「強く感じる」が58.2%となった。

MCPのような標準規格が必要だと「非常に強く感じる」または「強く感じる」と答えた人に、そのように感じる具体的な理由を尋ねた質問(複数回答)では、「複数AIの柔軟な組み合わせによる高度な業務自動化が実現できるから」(59.6%)がもっとも多く、以下「セキュリティやガバナンスの強化ができるから」(45.2%)、「ベンダーロックインからの脱却ができるから」(45.2%)が続いている。

MCPのような共通プロトコル(標準規格)が普及することによって、AIがさまざまなシステム(ファイル管理、メール、データベースなど)に対して、現在のように個別の設定や手順を覚えることなく、1つの共通方法でアクセス・操作できるようになるとしたら、どの程度関心があるかを尋ねたところ、「非常に関心がある」が45.5%、「関心がある」が50.0%だった。

MCPの導入や普及に際して、不安に感じる点を尋ねた質問(複数回答)では、「セキュリティ管理が難しそう」(52.7%)が最多となり、以下「専門知識がないと使いこなせなさそう」(41.8%)、「技術人材の確保や育成が難しい」(39.1%)が続いている。

MCPの導入や普及に際して不安に感じる点について、自由に答えてもらったところ、「データ連携」「国内と国外で規格が変わらなければよいが、世界統一は難しいと感じる」といった意見が寄せられた。
AIと業務システムの連携をより安全・スムーズに行うために、MCPのような標準規格が広く普及するには、どのような支援・条件が重要だと感じるかを尋ねた質問(複数回答)では、「導入しやすい開発ツールやSDKの整備」(62.7%)がもっとも多く、以下「他社の導入事例・ユースケースの可視化」(42.7%)、「国や業界団体による標準化の推進」(42.7%)が続いている。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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