SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Developers Summit 2024 セッションレポート(AD)

探索型のプロダクト開発のススメ。見直すべき「3つの健全性」とは?

【16-B-6】探索型のプロダクト開発を始めよう~正しいものを正しくつくる2.0~

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

探索型プロダクト開発へ

 「ユーザー」「チーム」「プロダクト」の健全性を維持・向上するにあたって難しいのが、3つを取り巻く環境に変化が伴うことだ。状況の変化に対応できるようなプロダクトづくりが求められる。はるか昔に分かったことを頼りに、ユーザーのニーズやチームの強みを判断しては正しいプロダクトは生まれない。

 そこで市谷氏は「プロダクト探索に出かけましょう」と呼びかけた。

 「分かっていることだけでプロダクトをつくり続けていては、ジリ貧になる。現時点では分かっていないことに踏み込んで、情報・知識を得なければいけない」(市谷氏)

 つまり、プロダクト探索とは新たな学びを得る活動であり、その方法を身につけておくことが重要だ。

 市谷氏は、「プロダクト探索の歩き方」のイメージを、下図に示した。

プロダクト探索の歩き方
プロダクト探索の歩き方

 まず重要なのは「成果とは何かに向き合うこと」である(図左側)。市谷氏は「成果=先述の3つだと捉えなくてもいい」という。収益との混同を避けつつ、「とにかくチームで合わせてください」と強調する。その成果に対して目標と評価指標を決める手法としては、OKRがフィットする。

 続いて、成果をあげるためには「仮説を立てる」必要がある(図中央)。ユーザーにとっての課題や価値についての仮説はもちろん、チームやプロダクトに対しても仮説が必要だ。仮説立案には、調査によって情報を増やすことが第一歩になる。ユーザーを理解するためのアンケート・インタビュー調査や、チームを理解するためのふりかえり、プロダクトを把握するための計測といったリサーチが大事になる。その際、ユーザーに関しては仮説キャンバスを立てたり、プロダクトに関してはユーザーストーリーマッピングをやったりと、手法を使い分けることを推奨した。

 そして、こうした探索活動はバックログに積んで、スクラム開発のサイクルの運営の中で扱えるようにしていくことが大事だ(図右側)。「OKR→仮説→バックログの流れをつくり、検査適応の運営をしていきましょう」と市谷氏。探索で分かったことはスプリント単位で把握し、探索活動自体もレトロスペクティブの対象とするのがよい。

 このように「プロダクト探索においてやるべきこと」を見ていくと、決めごとが多く大変な準備が必要だと感じるかもしれない。しかしそれは「最適化の罠」だと市谷氏は忠告する。

 「準備は必要だが、気づいたらずっと準備しているといった『最適化の罠』にはまらないようにしたい。まずは探索バックログの最初の1個を積むところから始めましょう」(市谷氏)

次のページ
デブサミで得たヒントで「自分が」現場を変えていく

関連リンク

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Developers Summit 2024 セッションレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

岡田 果子(オカダ カコ)

 IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社レッドジャーニー

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/19142 2024/03/25 12:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング