データセンターで起きたマリリン・モンロー体験を漫画にしてみたら大反響
──『インフラ女子の日常』で、データセンターは風が強いので、スカートをはいてきたらマリリン・モンローみたいになっちゃったというエピソードが印象的でした。体力的にもキツそうなイメージもあります。
夜中の急な呼び出しもありますね。夜21時くらいに、三交代勤務で監視室にいる人から、「このサーバーのアラートが上がっています」という電話がかかってきたことがあるんです。経験を積んでくると、ホスト名を聞いただけで、これはやばい障害だってわかるようになるんですけど、まさにそれでした。
その日はちょうどIPAの試験に受かって、嬉しかったので一人でワイン1本空けていたときだったんです。遠隔のSSHも繋がらないので、これはもう電源入れ直しに行かなきゃいけないと思い、べろんべろんの酩酊状態でタクシーを拾って、会社に向かいました。監視室の人に「お酒臭くて、すみません」と心の中で謝りながら、復旧作業をしたことがあります。
──インフラエンジニアとして責任感を持って、仕事をやり遂げるという強い意志が感じられるエピソードですね。仕事が忙しい中、『インフラ女子の日常』を描きはじめたのはなぜでしょうか。
『インフラ女子の日常』は2016年くらいから描きはじめました。インフラ系の部署は夜中や土日の出勤が多いからか、女性が少なく、女性のインフラエンジニア仲間が欲しいと思っていました。先ほど話に出たデータセンターで風が吹いてスカートが舞う話を、職場の先輩や同僚に話したら、「それは女性ならではの話だね」って、笑ってもらったんです。
これは漫画で描いたら面白いかもしれないと、Twitterに投稿したら「私もやった!」と共感を呼び、フォロワーや友だちが一気に増えました。それで嬉しくて、どんどん描いていった感じですね。
最初の頃は、職場の同僚と話題になったことや、自分自身が面白いと思ったことをその場でメモして、家に帰って漫画にしていました。ツールはiPad ProとApple Pencil、液晶タブレットで描いています。
──インフラエンジニアという仕事をもっと世の中に知ってもらいたい、といった想いもあったのでしょうか?
まさに、プログラマやシステムエンジニアじゃないエンジニアとして、インフラエンジニアがあることが世の中に全然知られてない。それを漫画にしたら面白いと思っていました。また、「SEあるある漫画やデザイナーあるあるの本は世の中に数多くあるのに、どうしてインフラエンジニアあるある漫画はないのか?」──そう思ったのがこの漫画を描き出したきっかけでもあります。