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スパコン「富岳」、Graph500の世界第1位を獲得し理研が今後の取り組みを発表

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 理化学研究所(理研)は、同社が2021年3月に共用を開始したスーパーコンピュータ「富岳」の世界ランキングと、同研究所の今後の取り組みについて5月13日に発表した。

 富岳は、世界のスーパーコンピュータに関するランキングである「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」および「Graph500」で9期連続の第1位、「TOP500」と「HPL-MxP」では第4位を獲得している。同ランキングは、ドイツ・ハンブルクのコングレス・センター・ハンブルクおよびオンラインで開催中のHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング:高性能計算技術)に関する国際会議「ISC High Performance 2024」において、5月13日(現地時間)付けで発表される。

 現在、理研は富岳以外のスーパーコンピュータやクラウドサービス上に、富岳と同等のソフトウェア環境を再現する「バーチャル富岳」に取り組んでおり、富岳のリッチなソフトウェア環境を世界中で、誰でも使えるようにすることを目指しているという。

 また、富岳による大規模言語モデル分散並列学習手法の開発や、AIとシミュレーションを活用したさまざまなアプリケーションの開発などを行うことによって、日本国内におけるAIの研究力向上に貢献していく。

 さらに、計算可能領域の拡大を図るべく、量子コンピュータ(QC)の本格利用に向けたQCとHPCを連携させるシステムソフトウエアの開発を進めることで、量子研究のためのプラットフォームを構築する。

 理研はこれらの研究を踏まえて、ポスト富岳時代の次世代システムの研究を続けることによって、研究DXの早期実現を目指す一環として、文部科学省からの受託による次世代計算基盤に係る調査研究事業(システム調査研究)に、2022年8月から取り組んでいる。

 同研究では、サイエンス・産業・社会のニーズも考慮し、Society 5.0を実現可能なシステムなどの選択肢を提案することを目的としており、将来の研究DXのあるべき姿を目指して、次世代計算基盤のアーキテクチャ、システムソフトウェア・ライブラリ、アプリケーションの調査と要素技術の検討を行うことで、技術的課題や制約要因を抽出しつつ、次世代計算基盤に求められる性能・機能要件を明らかにしていく。

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