Java仮想マシン上のRubyインタプリタ実装である「JRuby」開発の主要メンバーであり、米国ミネアポリス在住の開発者であるCharles Oliver Nutter氏は、米Red Hatが12年間続けてきたJRuby開発に対する支援を終了したと3日(現地時間)に発表した。Red Hat社内の組織変更によって、企業として優先すべきことの順番が変わり、JRubyへの支援が終了となったという。Nutter氏はこれまでRed Hatの社員としてJRuby開発に参加してきたが、4日からはRed Hatを離れる。
大口支援者の離脱を受け、JRubyの開発チームはスポンサーの募集を開始した。スポンサー受付はGitHubのスポンサーページで開始しており、1回限りの出資と、毎月の出資から選んで申し込める。1回限りの出資では、1000ドル、5000ドル、1万ドル、そして10ドル以上の任意の額で受け付けており、毎月の出資では25ドル、100ドル、250ドル、そして10ドル以上の任意の額で受け付けている。そして、ECサイト構築サービスを提供しているカナダShopifyが、最初の大口スポンサーに決まったことを明らかにした。同社はECサービスの構築にRubyとRuby on Railsを多用している。
さらに、有料サポートサービスを提供する予定であることも明らかにした。提供予定のサービスは「JRuby Pro Support」と「JRuby Enterprise Support」の2種類。Pro Supportでは、JRubyの主要開発者がメールでの問い合わせを受け付け、新バージョンの公開前に公開時期と変更内容を記した通知を受け取れる。契約料金は月額99ドル、あるいは年額995ドル。
Enterprise Supportでは、Pro Supportで受けられるサポートを利用できる上、JRuby開発者にビデオ通話や音声通話、テキストチャットで問い合わせができるようになる。さらに、Enterprise Support契約者からの不具合修正依頼は最優先で処理するとしている。また、JRubyで構築したプログラムが上手く動かない、あるいは性能が上がらないといったときに、JRubyの開発者が支援してくれる。契約料金はサーバーのプロセッサコア1つ当たり月額200ドル。年額払いにすると料金を割り引くとしている。
さらに、Nutter氏が設立した企業であるHeadius Enterprisesも、「JRuby Support by Headius」という名称でJRubyユーザー向けのサポートを開始する。既存のJRubyプログラムのサポートのほか、JRubyプログラムの開発スタートや、既存プログラムのJRubyへの移行といった場面でもきめ細かいサポートを提供するとしている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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