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Rust製の高速コードエディタ「Zed」、Linux版の公式ビルドを提供開始

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 米Zed Industriesは、高速コードエディタ「Zed」のLinux版公式ビルドの提供を10日(現地時間)に開始した。Zedは、GNU Affero General Public License、Apache License 2.0、GNU General Public License 3.0で公開しているオープンソースソフトウェア。

 Zedは、米GitHubでコードエディタ「Atom」の開発を指揮していたNathan Sobo氏や、構文解析プログラム「Tree-sitter」を開発しているMax Brunsfeld氏などが開発したコードエディタ。Atomや、Microsoftの「Visual Studio Code」と同じように、コード入力画面を中心としたシンプルなユーザーインターフェイスを持ち、追加プログラムで機能を拡張していけるコードエディタだ。Language Server Protocolにも対応しており、コード補完やリファクタリングの拡張機能を開発しやすいという特長もある。

 最大の特長は、プログラムコードの97.8%をRust言語で記述している点にある。Rustでプログラムを記述し、事前にコンパイルしてから実行するため、動作が速い。AtomやVisual Studio CodeはJavaScript/TypeScriptにCSSやHTMLを組み合わせてプログラムを作り、Electronと合わせて提供することでデスクトップで動作させている。多くの開発者の協力を得られる開発体制と言えるが、プログラムの動作は決して速いとは言えない。

 もう一つの特長として、画面の描画にGPU(Graphics Processing Unit)を利用している点が挙げられる。2024年1月にオープンソースソフトウェアとして公開した当時、ZedはmacOSのみに対応していたが、これはmacOSの「Metal」APIを利用して、GPUによる描画機能を実装していたためだ。

 今回提供を始めたLinux版では、GPUの操作には「Vulkan」APIを利用した。そして、LinuxはディストリビューションによってウィンドウシステムやGUIツールキットが異なる。ユーザーが使用するGPUもさまざまだ。可能な限りの組み合わせに対応するために、Linux版の提供開始がmacOS版に比べて遅くなってしまったという。Windowsについては、公式ビルドは提供していないが、ユーザーがソースコードからビルドして使うことは可能だとしている。

 そしてZed Industriesは、以上のようにハードウェアを操作する部分を抽象化した、Rust言語向けGUIツールキット「GPUI」を開発し、オープンソースソフトウェアとして公開している。

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