3つのクラウドカテゴリーの連携で、スムーズかつ的確なコンテンツ制作・管理を実現
もちろん企業がデジタルマーケティングのコンテンツ制作において取り組むべきはWebサイトの修正に限らず、さまざまな業務が混在する。その煩雑な業務課題に対し、アドビは3つのクラウドカテゴリーを組み合わせて解決を図ろうとしている。1つはAdobe Creative Cloudであり、PhotoshopやIllustratorなどのコンテンツ制作領域。そして、2つめはAdobe Document Cloudであり、PDFを核とした文書管理が該当する。そして、3つめがAdobe Experience Cloudでデジタルマーケティングにおけるコンテンツ管理を担う。
魅力あるWebサイトやコンテンツで顧客を惹きつけたいと考える担当者にとって、大きな課題が「数の暴力」だ。たとえば、1000製品のページを作る際に、写真は25枚ずつと考えれば25,000枚。さらにグローバルのリージョンごと、顧客ニーズに合わせるとなれば、写真だけでも相当な数になり、写真だけでなく映像や3D、VRなども増えていくだろう。その管理プロセスともなれば、まさに「ぐちゃぐちゃのスパゲッティ状態」といえる。それでは効率的かつスムーズにコンテンツをつくるのは難しい。
たとえば新しい製品のコンテンツ作成については、誰にどんなコンテンツをいつ出すかと企画し、それを公開・配信したら、コンバージョンなどにつながっているか効果検証を行い、次の企画に活かしていく。そうしたデータ分析や比較などを行いながら、データドリブンで次の企画へと反映させられる。そうした全工程を全体視点で観察して分析し、分断やボトルネックを改善していく必要があるというわけだ。たとえ部分的にパフォーマンスが良くても、1箇所ボトルネックがあると全体の流れが悪くなり、そこに引きずられてしまうことになる。
宮田氏は「プロセス全体を整えることを考えれば、アドビの製品やサービスはすべてAPIファーストかつクラウドネイティブであり、開発者が自由に組み合わせてパワーを引き出せる」と語り、例として画像生成AIの「Adobe Firefly Services」をAPI連携させて、画像やバナーのバリエーションを作成することを紹介した。
これにより、エクセルシートにビジネスユーザーがまとめた文言や対象オーディエンスなどを使って、掛け算的に数百数千のバリエーションを一瞬で生成できる。他にも、アイディア次第で企画や管理、配信、データ分析などでも開発者のサポートとして大いに役立つだろう。
宮田氏は最後に「卓越した顧客体験は、開発者のクリエイティビティにより解き放たれる。開発者の皆さん次第と言っても過言ではない。開発者体験の向上が高いビジネス成果を生み出すことはデータでも確認されており、アドビの最新の製品技術を利用することで開発者体験を高められる」と語り、「優れた顧客体験を作り出すには、プロセス全体を俯瞰してアドビの優れたツールや機能をプロセスや部署に結びつけてうまく活用することが有効」と強調した。