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ガートナージャパン、2025年以降の戦略的展望トップ10を発表

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 ガートナージャパンは、2025年以降の戦略的展望トップ10を、10月28日〜30日に開催している「Gartner IT Symposium/Xpo」にて、10月29日に発表した。

 同社はトップ10として、

  • AIペルソナ契約(デジタル・ヒューマン分野)
  • AI中毒(メンタルヘルス分野)
  • インテリジェントなナッジ(説得部門)
  • 気分の管理(感情AI分野)
  • AIラベル付きのブランディング(ブランド分野)
  • 悪意ある行為主体(AIの悪用分野)
  • 守護エージェント(監督者分野)
  • マイクログリッド(エネルギー分野)
  • 非階層化(マネジメント分野)
  • AIの影響力(取締役会分野)

を挙げている。

 AIペルソナ契約については、「2027年までに、新しい従業員契約の70%に、本人のペルソナのAI表現に関するライセンス条項と公正使用条項が含まれるようになる」として、企業のLLMが収集した従業員の個人データが、雇用期間中だけでなく退職後もLLMの一部として残り、そういったデジタルペルソナの所有権が従業員にあるのか、それとも雇用主にあるのかを問う公共の議論につながり、最終的には訴訟に発展する可能性を示唆した。

 AI中毒については、「2028年までに、テクノロジへの没入がデジタル中毒や社会的孤立という形で人々に影響を及ぼし、結果として、組織の70%がアンチデジタル・ポリシーを取り入れる」として、2028年までに約10億人がデジタル中毒の影響を受けたことで、生産性の低下、ストレスの増加、不安やうつ病などのメンタルヘルス疾患の急増につながると予測する。

 インテリジェントなナッジについては、「2027年までに、医療機関の70%は、テクノロジ契約に感情AI関連の利用規約を含めることになる。さもないと、数十億ドル規模の金銭的損害のリスクを負う」として、医療従事者の業務負荷が増大した結果、離職者が増えるとともに患者の要求が増大して、臨床医の燃え尽き症候群率が上昇し、ひいては共感の危機(エンパシークライシス)が生じていると警告している。

 気分の管理については、「2028年までに、大企業の40%は、利益追求の名目で従業員の気分や行動を操作/測定するために、AIを導入する」として、AIが職場でのやりとりやコミュニケーションについて、センチメント分析を行うことができるようになったことから、全体的なセンチメント(感情)を望ましい行動に確実に整合させるためのフィードバックが提供され、動機と意欲のある労働力を得られるようになる、との見方を示す。

 AIラベル付きのブランディングについては、「2028年までに、S&P対象企業の30%は、「xxGPT」といった生成AIのラベル付けを行って自社ブランディングを再構築しながら、新たな売り上げを追求する」として、生成AIを巡る競争が激化した末に、企業は自社の業界に合わせて調整した特別なモデルを開発することで差別化を図りつつあると指摘している。

 悪意ある行為主体については、「2028年までに、企業における情報侵害の25%は、外部の攻撃者や悪意ある内部関係者によるAIエージェントの悪用に起因するものになる」として、AIエージェントの急増によって、企業には新たなセキュリティ/リスクソリューションが必要になると予測する。

 守護エージェントについては、「2028年までに、CIOの40%は、AIエージェントのアクションの結果を自律的に追跡/監督/抑制する『守護エージェント』の利用を求めるようになる」として、セキュリティ監視、可観測性、コンプライアンス保証、倫理、データフィルタリング、ログレビューといった、AIエージェントのメカニズムに関する数多くの概念に基づいて構築された、「守護エージェント」が求められるようになる、との見方を示している。

 マイクログリッドについては、「2027年までに、Fortune 500企業は、5000億ドル分のエネルギー経費をマイクログリッドへとシフトし、それによって慢性的なエネルギー・リスクとAIによる需要を緩和する」として、マイクログリッドによって日常的なオペレーションに競争優位性が生まれ、将来のエネルギー・リスクも軽減されることから、運営支出(OPEX)の一部をエネルギーに費やしているFortune 500企業に対して、マイクログリッドへの投資の検討を提案する。

 非階層化については、「2026年末までに、組織の20%は、AIを活用して組織構造をフラット化し、現在の中間管理職の半数以上を廃止する」として、AIを導入して人間の中間管理職を廃止する組織が、短期的には労働コストの削減、長期的には福利厚生コストの節約になるとともに、残った従業員の「タスク」「レポート作成」「パフォーマンスモニタリング」を自動化/スケジュール設定することで、生産性の向上や管理範囲の拡大が可能になるほか、管理職はより戦略的で拡張性に優れ、付加価値の高い活動に集中できるようになると、その導入を推奨している。

 AIの影響力については、「2029年までに、世界の取締役会の10%は、AIガイドを使用して、ビジネスにとって重要な経営判断に異を唱える」として、AIの生み出す知見が経営幹部の意思決定に広範な影響を及ぼすようになり、周囲が擁護できない意思決定も多々あるような「破天荒なCEO」の時代は終わりを迎えると予言した。

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