米OpenAIは、推論シリーズの中でも最新かつもっともコスト効率の高いAIモデル「OpenAI o3-mini」を、1月31日(現地時間)にリリースした。
OpenAI o3-miniは、関数呼び出しをはじめ構造化出力、開発者メッセージといった開発者から要望の多かった機能をサポートする、最初の小型推論モデルであり、ただちに本番環境で利用できる。
OpenAI o1-miniやOpenAI o1-previewと同様にストリーミングをサポートするほか、ユースケースに合わせた最適化オプションとして、低・中・高の3種類を用意しているので、複雑な課題に取り組む場合はより深く考えられるよう、遅延が懸念される場合は速度を優先するよう指定可能となっている。
OpenAI o3-miniの提供は、API使用レベル3〜5の特定の開発者を対象に、Chat Completions API、Assistants API、Batch APIで展開され、ChatGPT Plus、ChatGPT Team、ChatGPT Proユーザーなら直ちにOpenAI o3-miniにアクセスでき、ChatGPT Enterpriseユーザーによるアクセスは2月に開始される。
モデルピッカにおいては、OpenAI o3-miniがOpenAI o1-miniに取って代わり、より高いレート制限とより低いレイテンシを提供するため、コーディング、STEM、論理的な問題解決タスクに最適な選択肢となる。このアップグレードにあわせて、ChatGPT PlusおよびChatGPT Teamユーザーのレート制限は、OpenAI o1-miniでの1日あたり50メッセージから、OpenAI o3-miniでは1日あたり150メッセージと3倍に増やされる。
さらに、推論モデル全体に検索を統合する作業の初期プロトタイプとして、OpenAI o3-miniは検索と連携して関連するWebソースへのリンクを含む、最新の回答を見つけられるようになっている。
また、無料プランのユーザーもOpenAI o3-miniを試せるが、これはChatGPTにおける無料ユーザーに対しての、初の推論モデルの提供となる。
なお、OpenAI o3-miniは視覚機能をサポートしていないので、視覚推論タスクについては引き続きOpenAI o1を使用する必要がある。
OpenAI o3-miniの提供開始以降も、OpenAI o1は引き続きOpenAIが提供するより広範な一般知識推論モデルの座を維持する。OpenAI o3-miniは、精度と速度を必要とする技術分野に特化した代替手段を提供し、中程度の推論強度を使用して速度と精度のバランスの取れたトレードオフを提供していく。
- 関連リンク
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です