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「OpenTelemetry」で始めるオブザーバビリティ入門

つまずかない! OpenTelemetryの導入~自分のプロジェクトからエンジニア組織に拡げるまで~

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 この連載は、オブザーバビリティという言葉を聞いたことはあるが具体的なイメージを持っていないエンジニア向けにOpenTelemetryについて紹介するものです。概要理解から導入方法まで一通り理解いただける連載となります。第6回目では、OpenTelemetry導入の始め方を扱います。

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対象読者

 この連載では以下の読者を想定しています。

  • オブザーバビリティやOpenTelemetryに興味がある人
  • SREやDevOps、Platform Engineeringに取り組んでいるエンジニア
  • バックエンド開発者、クラウドエンジニア、インフラエンジニア

OpenTelemetryの導入。どこから、何から始めよう?

 前回までの連載で以下のようなテーマを扱ってきました。

 まだご覧になっていない方は、是非ご一読ください。

 第6回となる今回は、実際に組織へ展開する方法を議論します。

 “OpenTelemetryを使いたい!” と思われたとき、ではどこから始めましょうか。

 第一歩は、もちろんあなたのプロジェクトです。

 いきなり組織全体に展開しようとしても、例えば計装するメリットが分からない、性能への影響が心配、開発工数が増大するのではなどの反対意見が出てくるケースが多いです。

 そのため、ある程度戦略的に進めていく必要があります。

 そのうえで、いくつか参考になるかもしれないヒントはこちらです。

導入を考えたとき、最初に陥りがちな罠

なぜOpenTelemetryを導入するか目的を明確にする

 OpenTelemetryを導入することを目的としてはいけません。

 この連載のタイトルにもある通り、オブザーバビリティの向上・実践のためにOpenTelemetryを導入するのです。

 これは組織やチームが抱えている現状の開発・運用に関する課題や、「もっとこうなったらいいのに」という思いに基づいて考えていく必要があります。多くの場合、以下のような課題・理想を持つ方が多いと思います。例えば、「トラブルシューティングを迅速化したい」、「インシデント調査の迷宮入りを減らしたい」、「ユーザーからのクレームトリガーのインシデント対応はやめたい」、「プロアクティブにリソースコントロールしたい」といった目の前の課題や、最終的な目標として「開発効率性・リソーススピードを高めたい」、「インシデントを防止したい」などです。

最初から厳格なROIを考えない

 「オブザーバビリティ」はこれから実践と理解が進んでいく分野です。

 まずはやってみましょう。

 どのような効果が得られるか綿密に検討しなければ導入できないシステムであれば、恐らくターゲットではありません。後回しにしましょう。

 一方で、データを入れ始めると「こんなケースにも使えるかもしれない」と想像が膨らむかもしれません。

次のページ
まずは自身の開発プロセスに取り入れてみる

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この記事の著者

山村 悟史(Splunk Services Japan合同会社)(ヤマムラ サトシ)

 Splunk Services Japan合同会社でオブザーバビリティソリューションを担当するエンジニア。 アプリ、サーバー、ネットワーク、セキュリティ運用の経験をバックグランドにオブザーバビリティの布教やツール導入のコンサルティング活動を行う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/21088 2025/04/07 11:00

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