これまでのおさらい
カフェでのやりとりをDFDで表現してみよう

第1回から第3回までにDFDとは何か、そしてDFDの描き方について説明してきました。この章では実際の業務プロセスを分析・理解してモデリングする際にDFDをどのように使うかを説明します。そのために具体的な業務プロセスをサンプルとして、ここまでに説明してきたDFDの描き方に従って説明します。
身近なサービスをモデル化してみる
はじめに身近なサービスとして、ここでは街中のカフェでのやりとり、すなわちコーヒーを注文してから最後に代金を支払うまでの流れをDFDでモデル化してみましょう。
1. カフェでのやりとりをモデル化する
ある日のカフェ。お客さまが店員に注文する場面。


店員がレジで注文を入力し、バリスタに伝える。


バリスタがコーヒーを淹れて、店員がそれを受け取りお客さまに提供する。


お客さまが帰り際に一言。


お店のドアを出て去っていくお客さま。ほどなく店員に向かってバリスタが……

この例では、カフェでのサービスの一連の流れで料金の受け取りが漏れてしまいました。モデル化の作業においては、全体の流れをしっかり把握することが大切です。
ここからは、第2回で説明したDFDの描き方に従って身近なサービスを例に業務プロセスを理解して分析し、モデリングする手順について説明します。
冒頭のショートストーリーでも触れていますが、モデル化に際して重要な要素を見逃さないようにすることが重要です。このカフェでの注文から支払いの流れ(ご安心ください、ここでは代金の支払い・受け取りについて忘れません)を整理して書き出してみると次のようになります。
- お客さまが店頭のメニューなどをチェックしてコーヒーを注文します
- 店員が注文内容を確認して料金を提示します
- お客さまが料金を支払って支払いデータがPOSレジなどのシステムに流れます
- 支払いが確認され、レシート(支払い完了の情報)がお客さまに渡されます
- 注文がバリスタに伝えられ、コーヒーを淹れる作業指示が行われます
- バリスタがコーヒーを淹れ、受け取りカウンターでお客さまに手渡されます
では、このカフェでの注文の流れをDFDを使ってモデル化するにあたっての手順をステップ・バイ・ステップで見てみましょう。