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データフローダイアグラム いにしえの技術がもたらすシステム設計の可能性

データフローダイアグラム(DFD)を活用して身近なサービスをモデル化しよう

第4回 カフェでのやりとりをDFDで表現してみよう

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 1970年代に登場した「データフローダイアグラム(DFD)」は、データの流れを矢印で表現するシンプルな図解手法。かつて主流だったこの“いにしえの技術”が、実は現代の複雑なシステム設計や要件整理にこそ効くとしたら──? 本連載では、翔泳社刊『データフローダイアグラム いにしえの技術がもたらすシステム設計の可能性』より、DFDの基礎から活用法までを抜粋して紹介します。

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データフローダイアグラム いにしえの技術がもたらすシステム設計の可能性
 

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データフローダイアグラム いにしえの技術がもたらすシステム設計の可能性

著者:大嶋 和幸、松永 守峰
発売日:2025年4月28日(月)
定価:3,080円(本体2,800円+税10%)

これまでのおさらい

カフェでのやりとりをDFDで表現してみよう

カフェでのやりとりをDFDで表現してみよう

 第1回から第3回までにDFDとは何か、そしてDFDの描き方について説明してきました。この章では実際の業務プロセスを分析・理解してモデリングする際にDFDをどのように使うかを説明します。そのために具体的な業務プロセスをサンプルとして、ここまでに説明してきたDFDの描き方に従って説明します。

身近なサービスをモデル化してみる

 はじめに身近なサービスとして、ここでは街中のカフェでのやりとり、すなわちコーヒーを注文してから最後に代金を支払うまでの流れをDFDでモデル化してみましょう。

1. カフェでのやりとりをモデル化する

 ある日のカフェ。お客さまが店員に注文する場面。

お客さま
コーヒーを1杯お願いします!
店員
かしこまりました!

 店員がレジで注文を入力し、バリスタに伝える。

店員
コーヒー1杯、お願いします!
バリスタ
了解です!

 バリスタがコーヒーを淹れて、店員がそれを受け取りお客さまに提供する。

店員
お待たせしました、コーヒーです!
お客さま
ありがとう!

 お客さまが帰り際に一言。

お客さま
ごちそうさま。ありがとう!
店員
またどうぞお越しくださいませ!

 お店のドアを出て去っていくお客さま。ほどなく店員に向かってバリスタが……

バリスタ
あれ? あのお客さんお代いただいてたっけ?

 この例では、カフェでのサービスの一連の流れで料金の受け取りが漏れてしまいました。モデル化の作業においては、全体の流れをしっかり把握することが大切です。

 ここからは、第2回で説明したDFDの描き方に従って身近なサービスを例に業務プロセスを理解して分析し、モデリングする手順について説明します。

 冒頭のショートストーリーでも触れていますが、モデル化に際して重要な要素を見逃さないようにすることが重要です。このカフェでの注文から支払いの流れ(ご安心ください、ここでは代金の支払い・受け取りについて忘れません)を整理して書き出してみると次のようになります。

  • お客さまが店頭のメニューなどをチェックしてコーヒーを注文します
  • 店員が注文内容を確認して料金を提示します
  • お客さまが料金を支払って支払いデータがPOSレジなどのシステムに流れます
  • 支払いが確認され、レシート(支払い完了の情報)がお客さまに渡されます
  • 注文がバリスタに伝えられ、コーヒーを淹れる作業指示が行われます
  • バリスタがコーヒーを淹れ、受け取りカウンターでお客さまに手渡されます

 では、このカフェでの注文の流れをDFDを使ってモデル化するにあたっての手順をステップ・バイ・ステップで見てみましょう。

次のページ
2. コンテキストダイアグラムの作成

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この記事の著者

大嶋 和幸(オオシマ カズユキ)

 株式会社アクアシステムズ SE、IT コンサルタントとしてCRM、HRM、BPR などの各種案件に関与し、企画立案から設計、実装、試験、運用、保守を経験。その後、事業会社数社にて事業企画、管理会計、総務、社内情報システム担当など多岐にわたる業務に従事。アクアシステムズ入社後は、各種データベースの導...

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松永 守峰(マツナガ モリオ)

 株式会社アクアシステムズ オープンシステムの黎明期にはじめてリレーショナルデータベースに触れて以降、ソフトウェアベンダーのサポート技術者、大手メーカーのIT 部門ではDBA、コンサルティングファームでのDB コンサルタントと立場を変えながらデータベースに関わる。アクアシステムズに入社後はパフォーマ...

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湊川 あい(ミナトガワ アイ)

 IT漫画家。マンガと図解で、技術をわかりやすく伝えることが好き。著書『わかばちゃんと学ぶ』シリーズが発売中のほか、マンガでわかるGit・マンガでわかるDocker・マンガでわかるRubyといった分野横断的なコンテンツを展開している。

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https://codezine.jp/article/detail/21345 2025/05/23 11:00

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