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.NET nanoFrameworkとESP32でIoTプログラミング

スマホアプリで環境データを可視化しよう! .NET nanoFrameworkとESP32でIoTプログラミング

.NET nanoFrameworkとESP32でIoTプログラミング 第8回

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MAUIでのAndroid対応アプリの作成(2)

コンテンツと処理の流れ

 MAUIのアプリでは、MVVMと呼ばれるソフトウェア構成とすることが基本です。ただ今回は、値を表示するだけの処理のため、テンプレートアプリをベースにしたシンプルな構成としました。

 まず、アプリのメインコンテンツを定義するMainPage.xamlを変更します。既存のコードはすべて削除した上で、GUI要素として、値を表示する各Labelと、センサーデータの取得を開始するボタンの定義を記述します(MainPage.xamlの全体は、ダウンロードしたサンプルコードで確認してください)。

[リスト2]MainPage.xamlの一部
~中略~

<Label Grid.Row="1" Grid.Column="0" Text="温度" FontAttributes="Bold"
  VerticalOptions="Center" HorizontalOptions="Center"/>
 <Label Grid.Row="1" Grid.Column="1" x:Name="TempLabel" FontSize="18"
  VerticalOptions="Center"  HorizontalOptions="Center"/>

~中略~

  <Button Text="センサーデータ取得" x:Name="BtnName" Clicked="OnClicked" 
     BackgroundColor="#2196F3" TextColor="White" Margin="20"/>

 実際の処理は、MainPage.xam.csに記述します。ここでの処理の流れは、次のようになります。

  • アドバタイズ信号をスキャンする
  • アドバタイズ信号のデバイス名(Local Name)がBME680であれば、Manufacturer Specific Dataを参照する
  • 取得したデータからJSON文字列を取り出し、オブジェクトに変換する
  • UI要素のLabelにオブジェクトの値を設定する

 また、アドバタイズ信号をスキャンする処理は、タイマーで定期実行することにし、その開始と停止をボタンで行えるようにします。

BLE処理

 Plugin.BLEでは、CrossBluetoothLE.Current.Adapterクラスを利用します。まずは、アドバタイズ信号をスキャンして、Manufacturer Specific Dataデータを参照する処理です。

 

[リスト3]MainPage.xaml.csの一部
public partial class MainPage : ContentPage
{
~中略~

    IAdapter _adapter = CrossBluetoothLE.Current.Adapter;

    public MainPage()
    {
        InitializeComponent();

        // BLEアダプターの初期化(2)
        _adapter.ScanTimeout = 3000;

        // デバイス検出時の処理(3)
        _adapter.DeviceDiscovered += (s, e) =>
        {
            // デバイス名がBME680の場合(4)
            if (e.Device.Name == "BME680")
            {
                // Manufacturer Specific Dataからセンサー値を解析(5)
                var data = e.Device.AdvertisementRecords
                    .FirstOrDefault(
                    r => r.Type == 
                    AdvertisementRecordType.ManufacturerSpecificData)?.Data;

                // センサー値を解析してUIを更新する(6)
                if (data != null)
                {
                    ~中略~
                }
            }
        };
~中略~
    }

    async void StartScan()
    {
        // スキャン開始(1)
        await _adapter.StartScanningForDevicesAsync();
    }
~中略~
}

 StartScanningForDevicesAsync()メソッドを実行すると(1)、ScanTimeoutで設定した時間、アドバタイズ信号をスキャンします(2)。デバイスが見つかると、DeviceDiscoveredイベントに設定したハンドラーが呼び出されます(3)。

 ここでは、デバイス名がBME680の信号のみ処理します(4)。アドバタイズ信号から、Manufacturer Specific Data部のみを取り出します(5)。

次のページ
MAUIでのAndroid対応アプリの作成(3)

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 高江 賢(タカエ ケン)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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