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開発現場インタビュー(AD)

ユーザー6500万超「TimeTree」の進化を支える組織論──ニックネーム文化がAI時代のプロダクト開発を加速する

エンジニアの「声」がAI機能になるまで:イベントアシスト機能とAI駆動開発の最前線

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個人の「やってみたい」を組織の力に。全社で取り組むAI駆動開発

──AIのプロダクトへの活用だけでなく、開発プロセス自体にもAIコーディングツールを積極的に導入し、知見を溜めているフェーズだという話がありました。

Scott:最初に導入したのはGitHub CopilotやTabnineだったと思います。当時はAIによるコード補完機能によって、コーディングの効率が多少上がればいいなと考え、導入しました。その後、CursorやDevinが登場し、パラダイムが変わり始めたことを実感しています。

 そこで僕がしっかり検証して導入するよりも、規約がしっかりしており、セキュリティの担保ができるツールについてはいち早く導入し、メンバーに使ってもらってフィードバックをもらう方針を取っています。

 現在、当社の開発現場に導入しているのはGitHub CopilotとCursor、Devin、Claude Codeです。その他、エンジニア以外の方も含めて、ChatGPTやGemini、ClaudeなどのAIエージェントを利用できるように整備しています。

──さまざまなツールをいち早く導入されているのですね。現場ではどのように活用され、どのような変化が起きていますか?

Scott:今はたくさんAIツールに触れてもらうことを重視している段階なので、定量的な評価はまだ先です。というのも、AI活用について、先陣を切って活用する人もいれば、活用したいがどう使ってよいか分からないという方など、エンジニアの中に温度差があるからです。ですが、これからの時代において、AI活用は必須。様子見や迷っているエンジニアのために、こういうタスクならできる、こういうプロンプトを書くとこんなことができるなど、共有会を開催することで、情報共有を図っています。

Vicke:僕のチームの中にも、日々いろんなツールを試しては、Slackで情報共有してくれるメンバーがいます。それに刺激を受け、みんなAIツールを触るようになっていますね。

Scott:特に開催して評判がよかったのは、AIを活用しているエンジニアによる社内勉強会でした。4人のエンジニアがLTで発表し、すぐに真似できるようなプロンプトを紹介してくれました。Vickeも言うようにSlackでの情報共有も盛んです。Devinを筆頭に、ツール自体に作業ログが見られる仕組みがあるので、それを見るだけでも勉強になります。

フラットな組織文化が、AI時代のスピードを生む

──改めて、フラットな組織文化がAI活用やボトムアップ開発に貢献していると感じる点はどこでしょう。

Scott:非常にシンプルです。例えば導入したいツールがあれば、僕に直接「使いたい」と言いに来てくれる。僕がその場で意思決定すれば、即日導入できる。このスピード感こそ、フラットな組織の最大の武器です。AIのように日進月歩の技術を扱う上で、この機動力は欠かせません。

Vicke:まさに「自律プロジェクト」という仕組みが、フラットな文化を象徴しています。自律プロジェクトとは、業務時間の10%を使って、メンバーが自らの問題意識からプロジェクトを立ち上げられる制度です。ボトムアップで生まれたアイデアが、正式なプロダクトになる事例も多い。僕がかつて提案した速度改善もそうですし、また僕のチームで保守運用の時間を確保する仕組みができたのも、現場の声がきっかけでした。

Scott:エンジニアだけではなく、共有カレンダー上で予定をデコレーションする「ステッカー」機能も、デザイナーから出されたアイデアがプロジェクト化されたものです。

──最後に、お二人の今後のチャレンジについてお聞かせください。まずScottさんはCTOとして、そしてVickeさんはエンジニア兼PdMとして、それぞれどのような未来を描いていますか?

Scott:AI推進については、生産性向上につながるよう取り組んで行きたいですね。TimeTreeはサービス開始から約10年。各リポジトリも相当巨大になってきています。そういった部分に対しても、AIがうまく機能することを期待しています。AIの進化に追従できるよう開発環境を整備していきたいですね。

Vicke:僕は今、エンジニアをやりつつプロダクトマネージャーにキャリアの軸足を広げている状況です。これからもプロダクトマネージャーとして成長していきたいと考えています。

 AIの活用は必須ですが、プロダクト開発においてはAIありきで考えないようにしたい。まずはユーザーさんが困っていることを第1に考える。そしてそれを解決するのにAIがマッチするのであればAIを活用する。その順番を間違えずに、プロダクト開発に貢献していきたいと思います。

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この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

 大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

ミヨグラフィ(ミヨグラフィ)

フットワークが窒素よりも軽いフリーランスフォトグラファー。ポートレート、取材、イベントなど主に人物撮影をしています。英語・中国語対応可能。趣味は電子工作・3Dプリント・ポールダンス。 Webサイト

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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