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Developers Summit 2025 Summer セッションレポート(AD)

QAエンジニアがAI駆動開発に挑戦! ──バグ発見から修正まで一気通貫で実現する方法をバルテスに学ぶ

【18-B-2】「バグに気づけるなら直せばいいじゃない」──QAエンジニアがAIで開発エンジニア化した話

AI駆動開発による検証──従来の10分の1の時間で修正完了

 仮説を検証するため、齋藤氏のチームはAI駆動開発ツールを活用した実証実験を開始した。使用したのはRoo Code(Clineのフォーク)とClaude Sonnetで、実装モード、設計モード、質問モードを駆使してQAエンジニアの開発エンジニア化を図った。Roo CodeはVS Code上で動作するAI開発アシスタントで、Claude SonnetはAnthropic社の大規模言語モデルだ。開発アシスタントは複数の選択肢はあるが、齋藤氏は「2024年12月時点でRoo Codeのユーザー体験が非常に良かったため採用した」と選定理由を説明する。

 従来のワークフローとAI駆動開発の違いは劇的だった。従来であれば、QAがバグを発見してチケットを作成し、開発エンジニアに依頼して修正コードを実装するまでに1〜3日を要していた。しかし、AI駆動開発では、QAがバグを発見した後、AIに対して「このボタン、仕様書では青なのに緑で表示されているのを修正して」とチャットで依頼するだけで、AIが修正を実行し適用まで完了する。平均所要時間は10〜30分と大きく短縮できた。

QAがAIを使ってバグ修正まで担当可能に
QAがAIを使ってバグ修正まで担当可能に

 開発エンジニアによる検証を実施し、自社WebアプリケーションのRubyで作られた機能をAI駆動開発に適したNext.jsでリプレースした結果、生産性が52.19%向上した。「AI活用により約1.5倍の機能実装が可能になった」と齋藤氏は成果を報告する。ClaudeのAPI費用として21万円が発生したものの、「開発エンジニアを一人雇うよりもはるかに安い」と費用対効果の高さを強調した。

 AI駆動開発を効率的に進めるため、新機能追加と軽微な機能修正の2つのフローを確立した。新機能追加では、要件定義書をRoo CodeのAsk Mode(質問モード)で壁打ちしながら作成し、AI Architect Mode(設計モード)で機能仕様書と詳細設計書を作成、最終的にAI Code Mode(実装モード)で実装する。

 軽微な修正では、チケット内容を確認して修正仕様書と計画書をAI Architect Modeで作成し、レビュー後にAI Code Modeで実装を進める。

 齋藤氏は、AI駆動開発の重要なポイントとして4つを挙げた。第一に、AIのドキュメントレビューを実装前に必ず行うべきということで、「チーム内でドキュメント共有してフィードバックを入れること。認識のずれや仕様の抜け漏れを防げるので、これは絶対やるべきだ」と強調する。

 第二に、AIの方向性に迷いが出たら勇気を持ってやり直すこと。「一度実装を進めると軌道修正が困難で、不要なテーブルや負の遺産が残ってしまう」からだ。第三に、AIの知っている情報になるべく委ねること。知らない情報で進めるとハルシネーションを起こして実装が破綻する可能性がある。

 最後に最も重要な点として、「これはAIが書いたコードだから」ではなく「これは自分が採用したコードだから」という姿勢を持つことを挙げた。「AIはあくまでも部下。最終的な責任はそれを採用した本人にある」と責任の所在を明確化した。

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QAエンジニアがAI駆動開発に挑戦したところ、課題も浮き彫りに

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

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丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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