領域を超えて価値を届ける開発チームの今
開発の実働部隊となり、まだ二十数名のソリューション事業部が今何をしているかにフォーカスを当てていこう。主な業務は、プロダクト「WESTER」と「tabiwa」の開発だ。関西圏ではおなじみだが、WESTERは移動に伴う各種サービスやポイントが利用できるJR西日本の会員制デジタルサービスで、その中で旅行や観光に特化した機能がtabiwaである。
このWESTERとtabiwaにまつわる、事業戦略・推進、PMO、プロダクト企画、要求整理・要件定義、UX/UIデザイン、SRE、設計・開発、QA、データエンジニアリング……「要するに必要なことはなんでもやっています」と直井氏は率直に言う。現状在籍しているのはプロダクト開発を経験してきたメンバーが中心だ。しかしビジネスに関する部分もあり、自分の枠を飛び越えて挑戦する機会があるとも言える。まだ新しく、十分に人が集まっていない段階だからこそではないだろうか。
直井氏は、自らの理想も交えながらトレブレ誕生の経緯を説明した。事業会社が「ビジネスを成長させたい。プロダクトを良くしたい。しかし、どうすればいいのか」と悩むと、まずはコンサルタントに手ほどきをしてもらい、次にSIerなどに開発を依頼するのが一般的だ。しかし、それでは自社で事業判断をするのが難しく、外部委託によって時間もコストもかさんでしまうという課題があった。
そこで事業戦略を一緒に考え、プロダクト開発やマネジメントも内製できるグループ組織を設立したという流れだ。アジャイルに開発できて、開発工程の管理も行う。評価のためにKPIを立ててPDCAを回していくこともする。
理想としては、ビジネス側で事業戦略や事業推進とともにプロダクトのロードマップや要件定義を行い、設計、開発、QA、リリース、検証といったサイクルを回し、また運用監視も行うなど全領域をカバーする。直井氏は「エンドユーザーに価値を早く届けたい。そのために必要なことなら何でもやる。そんな組織を目指しています」と話す。

