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これだけは押さえておきたい! AWSサービス最新アップデート

Amazon Qが日本語対応! カスタムエージェントやBedrock新機能など、開発者が知るべきAWS生成AI最新アップデート3選

第35回 Amazon Q Developer、Amazon Bedrock

 本連載では、AWSに関して、なかなか時間がとれず最新のアップデートを追えていない方や、これからAWSを利用したいと考えている方に向けて、AWSから発表される数多あるサービスアップデートのうち、NTTデータのITスペシャリスト達がこれだけは押さえておくべきと厳選した内容を定期的に紹介します。本記事では、AWSの生成AI関連のアップデートから開発者向けの内容を紹介します。

はじめに

 近年、ソフトウェア開発におけるAIの役割は、単なる「コード補完ツール」から、自律的にタスクをこなす「AIエージェント」へと進化をしています。開発者がAIと対話し、協業しながらシステムを構築する時代が到来しつつあります。

 AWSでは、開発者向けAIアシスタント「Amazon Q」と、基盤モデルプラットフォーム「Amazon Bedrock」を両輪として、そのAIエージェントを下支えしています。

 本記事では、待望の「Amazon Q Developerの多言語対応」、セキュリティを担保しながら専門タスクを自動化する「カスタムエージェント」、そしてGPU不足を解消する切り札となりうる「Bedrockのグローバルクロスリージョン推論」について、その仕組みと実用上の注意点を交えながら深掘りしていきます。

Amazon Q Developerの多言語対応

 Amazon Qは第17回で紹介したように大きく2種類が用意されています。

  • Amazon Q Business:組織内のデータをもとに、質問に回答やコンテンツ生成を行う(過去記事ではAmazon Q For Business Useとして紹介)
  • Amazon Q Developer:AWSを利用したシステム開発やアプリケーション開発に関する質問への回答を行う(過去記事ではAmazon Q For AWS Builder Useとして紹介)

 後者のAmazon Q Developerが、今回多言語サポートを拡大し、日本語もサポート対象となりました。Amazon Q DeveloperはTeamsやSlackなどのチャットアプリケーションに統合し、呼び出すことも可能ですが、本記事では最も手軽に利用できるAWSマネジメントコンソール上での操作を紹介したいと思います。

 マネジメントコンソールにログインし、右側にある「Q」アイコンをクリックすると、下記のような画面が右サイドペインに表示されるかと思います。

Amazon Q Developerの画面
Amazon Q Developerの画面

 筆者の環境ではポップアップブロックが有効になっていたため、初回表示時にブロックされました。利用にあたってはポップアップを許可する必要があります。

 筆者の環境で利用されていないセキュリティグループ一覧を取得するように質問してみると、日本語での質問を理解したうえで、実際の環境に基づき、セキュリティグループの一覧を提示してくれました。

Amazon Q Developerからの回答
Amazon Q Developerからの回答

 事前情報を生成AIに伝えることなく、自然言語を理解して、調査をしてくれるのは大変ありがたいアップデートだと思います。

 ただし、やり取りが可能な内容はテキストデータのみです。画像データを使った質問などはできないので、今後のマルチモーダル対応も期待されます。実現すれば、アーキテクチャ図を読み込ませて改善点を質問したり、UIのスクリーンショットからコードを生成したりといった、より高度な活用が可能になるでしょう。

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この記事の著者

奥村 康晃(株式会社NTTデータ)(オクムラ ヤスアキ)

 NTTデータ入社以来、クラウドサービスのAPIを連携させることで効率的な管理を可能とするクラウド管理プラットフォームの開発に従事。現在では、クラウド導入の技術コンサルや組織での技術戦略立案にも携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/22451 2025/11/04 11:00

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