SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Developers Summit 2026 セッションレポート(AD)

AIコーディング比率が倍増! 弁護士ドットコムはいかにしてAI駆動開発の基盤を整えたか

【19-B-5】AI駆動開発とRAGプロダクトへの挑戦の軌跡 - 弁護士ドットコムでの学びから -

 弁護士ドットコムは、「プロフェッショナル・テックで、次の常識をつくる」をミッションに掲げ、弁護士向けプラットフォーム「弁護士ドットコム」や電子契約クラウドサービス「クラウドサイン」、ニュースメディア「弁護士ドットコムニュース」などを展開。同社の開発組織では、AI駆動開発の実践と、プロダクトへのAI実装が両輪で進みつつある。本セッションでは、同社 執行役員 CTO 田中 慎司氏と開発本部 リーガルブレイン部 西野 裕貴氏が、同社におけるAI駆動開発への挑戦の軌跡と、そこから得た学びについて語った。

半年前からAIコーディング比率は倍増、急速な普及を支える基盤とは?

 講演の前半ではCTOを務める田中氏が、弁護士ドットコムにおけるAI駆動開発の現状を語った。

 開発組織は約160名のエンジニアで構成され、各事業向けの開発部門に加え、SRE室やエンジニアリング室といった横断組織を持つ。技術スタックはバックエンドにPHP/Go、フロントエンドにVue.js/Nuxt/React/Next.js、インフラにAWSというオーソドックスな構成だ。

 開発面では、各種モデルやAIコーディングツールを活用するためのAI利用基盤を整備し、開発生産性を大幅に向上させている。さらに運用面においても、障害報告書の自動作成や、ナレッジベースを活用した社内ドキュメントからのQ&Aシステムの構築、問い合わせ対応における自動返答の作成などにAIを活用し、成果を上げているという。

弁護士ドットコム株式会社 執行役員 CTO 田中 慎司氏
弁護士ドットコム株式会社 執行役員 CTO 田中 慎司氏

 AI導入の結果、開発生産性はどの程度向上したのだろうか。田中氏は、2025年6月と、2026年1月に行われた社内アンケート結果の比較を通して、現場のエンジニアの実感を浮き彫りにする。「AIに書かせたコードの比率」(体感値)は、半年前の約40%から80%へと倍増した。さらに「生産性が50%以上向上した」(体感値)と答えたエンジニアの割合も、前回の25.3%から、過半数の54.7%にまで増加。また、エンジニアが使うツールも半年間で変化した。前回の調査では「Cursor」が主流だったが、現在は「Claude Code」が最も人気のツールとなっている。

 この急速な普及を支えているのが、約1年をかけて整備してきたAIツール利用基盤だ。2024年前半までには、一部のエンジニアが、コード補完に「GitHub Copilot」を、コードレビューに「Code Rabbit」を使い始めていた。そして2024年末に、「Devin」など新しいツールが相次いで登場したことがきっかけで、本格的なAI導入に向けた調査が始まったという。

 2025年4月にはCursorなどのAIツールを全社員が利用できるようにした。7月にはLiteLLMによるLLMプロキシ基盤を稼働させ、煩雑な手間なしに、主要なLLMモデルを一通り利用可能な環境を構築した。その他にも、LiteLLM導入のメリットとして、利用状況の可視化や、「Dify」や「n8n」といったノーコードツールから各種モデルにアクセスしやすくなったことが挙げられる。MCPの活用も推奨しており、内製でMCPサーバーを作るメンバーも増えてきているという。

 またコスト面では、ヘビーユーザーにはコスト効率の高い定額制を、新しいツールを試したいメンバーには柔軟な従量制を提供することで、ROIを最大化している。こうした基盤を整備することで、チームが試行錯誤しながらノウハウを蓄積できる環境が整ったと、田中氏は振り返る。

 「CLAUDE.mdの育て方や、Sub-agentやSkills活用のノウハウ、仕様駆動開発の実践、さらにCode RabbitとClaude Codeなどを組み合わせたコードレビューの自動化をはじめ、各チームで新しい取り組みが進んでいます。」(田中氏)

弁護士ドットコムのAI駆動開発環境
弁護士ドットコムのAI駆動開発環境

次のページ
AI駆動開発をさらに推進するカギは「AI-DLC」と「Harness engineering」

この記事は参考になりましたか?

Developers Summit 2026 セッションレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

Innerstudio 鍋島 理人(ナベシマ マサト)

 ITライター・イベントプロデューサー・ITコミュニティ運営支援。 Developers Summit (翔泳社)元スタッフ。現在はフリーランスで、複数のITコミュニティの運営支援やDevRel活動の支援、企業ITコンテンツの制作に携わっている。 Twitter:@nabemasat Facebook Web

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

川又 眞(カワマタ シン)

インタビュー、ポートレート、商品撮影写真をWeb雑誌中心に活動。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:弁護士ドットコム株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/23520 2026/04/24 11:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング