――日本におけるILOG Elixirの展開、想定する売上規模について教えてください
Paccard氏: Elixirに関して、日本の売上が世界に占める割合は20%を予定しており、大変重要な位置づけと考えています。

小島氏: ILOG Elixirは、アドビがILOGからOEMを受けてから出しているアドビ製品でして、基本的にどれだけFlex Builderにアタッチレートを上げるかが重要と考えています。アドビには、量販店、Eストア、ライセンス販売といったチャネルがありますが、Flex Builderはこれらすべてのチャネルで販売している、ほぼ唯一の製品です。ILOG ElixirもFlexフレームワークでRIAを使ってくださいというプロモーションに含まれており、Flexと同様にすべてのチャネルで積極的に販売していきます。
エンドユーザにとって、チャートが標準コンポーネントなのか、カスタムコンポーネントなのかはどうでもよい問題なので、デベロッパーの皆様にどれだけILOG Elixirを認知いただき、興味を持ってもらえるかが、現在の最も重視しているステージです。
――ローカライズの対応状況について聞かせてください
Paccard氏: ドキュメントとフォントの日本語サポートは完了しています。その他に気づいた部分は適宜対応していきます。例えば、マップに関して既にバグのご指摘をいただいており、現在対応を進めています。何かあれば、お気軽にお声掛けください。
――いろいろカスタマイズできると聞きましたが、外観なども自由に変更できるんでしょうか
Paccard氏: FlexではスキンとCSSの2つの方法で外観を変更できますが、同様のやり方でElixirの外観も変更できます。例えば、組織図はデフォルトの外観を用意していますがそのまま出来合いのものを使っていただいてもよいですし、書き換えて独自のものを用意いただくこともできます。
実際にお客様が作ったアプリケーションを拝見すると、多くの場合、これはElixirだよと言われなければ分からないような形、つまり、かなりカスタマイズした状態で使われているようですね。
――ライセンスを購入するとソースコードが見れてしまうそうですが、これはソースコードを開示してしまっても問題ないという自信の表れなのでしょうか
Paccard氏: いいえ(笑)。
私見になりますが、我々もかなり進んだソフトウェアをいくつか有していると思いますが、それらに関して単にソースコードを開示してしまうことはしません。やはり何人年もの開発期間・コストを掛けて作っているものですので、オープンにしてそれを盗まれてしまうのは好ましくありません。
ならばなぜ、Elixirはソースコードを開示するのかというと、やはりElixirに対しても投資していますが、戦略的な投資というほど大きくはありません。そして、新しいものであるという意味で、開発のリスクもそれほど大きくありません。一方、開示することによる開発者の方にとっての恩恵はとても大きい。恩恵がとても大きく、リスクはそれほどでもないというのであれば、開示していこうと。
――今後の展開として、例えば新しいコンポーネントの追加を考えているのでしょうか
Paccard氏: はい。

現時点であまり多くのことは話せませんが、今後Elixirはリリースを重ね、既存コンポーネントの改善を図るとともに、あらたなコンポーネントを追加していきます。一つだけ特別にご紹介すると「カレンダー」の提供を考えています。次のリリースには、大変いいカレンダーがそこに入るでしょう。また、次のリリースは年内を予定しています。
――日本の開発者に期待することはありますか
Paccard氏: たくさん使って欲しいです!(笑)
どうやって使って欲しいかはなかなか難しい質問で、これまでの開発例を見ると、Elixirの用途はビジネスダッシュボードが多いです。しかし、何でも好きなように自由にお使いいただけます。
例えるなら、Elixirはレンガです。レンガを使って何を作るのかはお客様の希望しだい。家を建てるのものよし、ビルを建てるものよし、ということです。
――実際、どれくらい開発の手間が省けるのでしょうか
Paccard氏: アプリケーションにもよりますが、一つの例として、あるプロダクトマネージャの方にとても満足いただきました。製品を開発しリリースするまで、計画より1年前倒しできたそうです。もともと、3人の開発者が1年を掛けて開発する予定だったものが、1人が2週間でできてしまったとか。
もちろんElixirを使ってできることは、独自に実装することも可能ですが、何人月もの工数がかかっていくわけです。いわゆる、ソフトウェアというときにMake or Buy(自前か、外で買ってくるか)のどちらかを決めるんだといわれますが、それと同じだと考えていただければ。
また、ターゲットとマーケットを決定して製品をリリースするまでの時間が、特にビジネスのお客様にとっては重要で、先ほど例を挙げたように、1年前倒しで競合会社よりよい製品を出せれば、大きな利益に繋がります。
――最後に、アドビがElixirに期待するものを聞かせてください
小島氏: 今、Flexでカスタムコンポーネントを作りこむのは、デベロッパーにとって大変で、そういうときにElixirを使うと、まさにデベロッパーの皆様がやりたいことに早く到達できるツールだと思っています。
Flexの標準コンポーネントでできないことは結構あって、問合せにもカスタムコンポーネントの作り方を教えて欲しいというケースが多々あります。ニーズが高く、ハイパフォーマンスのコンポーネントを提供することで、こういったニーズにすばやく対応できるのではないか、と非常に期待しています。
Flexのアプリケーションがよく使われているのは、売上データの管理などの、いわゆるダッシュボードアプリケーションなんですね。Flexはグラフなどは標準でもそれっぽくできるのですが、高度な可視化などは結構難しいです。そういったときに、ぜひElixirなどのコンポーネントを使っていただいて、よりエンドユーザに分かりやすいアプリケーションを作っていただければと思います。

