柳井です。 中島敦の短編集「李陵・山月記」から1本。3話目「弟子」についてです。この話は孔子と弟子の子路の話です。この物語の中で印象的なことは、孔子が後代を意識して行動を律していることです。人は、他人に見られていないと歯止めが利きません。そして、他人に許されれば、どれほど酷いことでも正義だと考え行うことができます。 歴史の視点を持つことは大切なことです。過去に行われた多くの過ちは、その当時に人々が正しいと思って取った行動です。 今正しいと思うことは、時と場所を変えても正しいとは限りません。私たちが過去の人の行動を“間違っている”と思うのと同様に、私たちの行動も未来の人にそう思われる可能性があります。未来からの視線を感じることは大切です。そのためには、過去を知ることが必要です。人の想像力は小さいです。過去を学ぶことで、初めて未来からの視線を感じられるようになるのだと思います。 |
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